キムチは「免疫力がつく」が牛肉は「安全を気楽に語るべからず」なの?

2005年12月20日 19:15

先にコラム記事「筆洗」で中国・韓国産のキムチに寄生虫の卵がついた件について、(口にしても)「なあに、かえって免疫力がつく」と一笑にふした発言を行い、ネット界隈で一笑どころか大爆笑と批難の嵐を巻き起こした東京新聞公式サイトだが、懲りずに同じコラムでダブルスタンダード的な記事を掲載した。今度の対象は先ほど輸入が再開されたアメリカ産牛肉([このリンク先のページ(tokyo-np.co.jpなど)は掲載が終了しています])。

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今回の「筆洗」では、明治維新以降の文明開化によって牛肉を食べる文化が日本にも広まった話を取り上げ、それと比較し、今回の解禁を暗に批難している。簡単にまとめると「文明開化の時は牛肉を食べないものは(時代に遅れているから)『開けぬやつ』である」のに対し、今度は「アメリカ産牛肉の安全を気楽に語る人々が『開けぬやつ』である」と断じている。

アメリカ産牛肉の危険性や懸念については先に当サイトでも何度か語ったとおり、うなづかざるを得ない。だが先に寄生虫卵付特定キムチをして「なあに、かえって免疫力がつく」と堂々とのたまったのと同じ人の科白とは思えない展開である。

寄生虫卵付特定キムチは食べても「なあに、かえって免疫力がつく」で、アメリカ産牛肉は食べるのを危惧し、食べる行為に対して「安全を気楽に語るのは『開けぬ奴』」とは。何と素晴らしい判断基準。

たまたまキムチが中国・韓国産で、牛肉がアメリカ産だからこのような話の展開になったのだろうか。仮にまったく逆だった場合、中国・韓国産の牛肉をして「安全を気楽に語るのは『開けぬ奴』」、アメリカ産のキムチを「なあに、かえって免疫力がつく」といえるのだろうか。いや、恐らくはいえないだろう。

主義主張は人それぞれであるし、日本は表現の自由が(公共の福祉に反しない限り)認められている。だから中国・韓国万歳、アメリカなんて大嫌い、という主張の元、どんなことでもこじつけて誘導するのもありだろう(クオリティペーパーを自認する新聞社のサイトにおけるコラムでそれを行うのはどうかと思うが)。

ここはウイットを利かせて、上記記事の最後を

▼こんなことを言うと読者諸氏からは「だが、心配のし過ぎではないか」と言われるかもしれない。それでも夕食の食材として買ってきた牛肉を目の前に「なあに、かえって免疫力がつく」とはいえない自分がいる。


などとして締めくくってくれれば面白くもあり、批難されようも無かったのだろうが。


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