対岸の火事とでも思っているのか……寄生虫卵入りキムチを食しても「なあに、かえって免疫力がつく」

2005年11月26日 13:29

[このリンク先のページ(tokyo-np.co.jpなど)は掲載が終了しています]の社説(コラム)の表現がネット上で物議をかもしだしている。最近の鳥インフルエンザやインフルエンザ治療薬の「タミフル」騒ぎを「情報パニック」と称し、そんなにおびえるなど莫迦莫迦しいとでもいうばかり、鼻で笑ったような論評。予防内服薬として用いるのは問題だ、という主張は一理ある。問題なのは文のしめ方。

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しめでは最近の中国・韓国製のキムチに寄生虫卵が入っていた件を取り上げ、次のように書き連ねている。

かねて風邪気味のときは、ニンニクをこってり利かせた焼き肉を食べるに限ると教わり、以来、風邪対策の特効薬代わりにしてきた。キムチは最近、寄生虫卵騒ぎで不評だが、なあに、かえって免疫力がつく。


ウィルスや病原菌でもあるまいし、寄生虫やその卵に対する「免疫力」を人間が持つには何世代にも渡った形状進化が必要になるのではないか、免疫力云々の話ではないだろう、という科学的なツッコミはともかくとして。

脈絡も無くいきなり寄生虫卵入りキムチの話を持ち出し、挙句の果てに「免疫力がつくから問題ないじゃないか」と、タミフルやインフルエンザと関連付けるには程遠いまとめ方をしている。下手をすると「今寄生虫卵入りで不評を買っている中国・韓国産のキムチを食べた方がインフルエンザへの免疫力がつく」とすら読み(読まれ)かねない。

百歩譲って、インフルエンザに関する情報で右往左往しタミフルを買い集めるありさまをせせら笑うのは良いだろう。世情をゆかいに表現することで、その状況への警鐘を意味する意図も持たせられるからだ。

だが、今回のような半ば投げやりで、なおかつ関係者を冒とくするかのような表現を(ネット上であろうとも)権威ある東京新聞の社説で行うのはいかがなものか(と、同じように流行の言い回しでチクリと刺してみる)。

好意的に考えてみれば、タミフルだの謹製寄生虫卵入りキムチだの、話題の言葉を色々盛り込んでコラムを書こうとしたのだが、結局インフルエンザの話だけでうまくまとめることができなくて、無理やりキムチを押し込んだとも思えなくはない。

ともあれ、今コラムで東京新聞に対するイメージが悪化した人が増えているのは事実だろう。だが、なあに、かえって免疫力がつく。:P


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