オプト(2389)、オンラインゲーム内広告やポスター提供の広告商品を販売

2005年12月14日 07:45

【NIKKEI NeT】によると、オプト(2389)はオンラインゲームの中に宣伝したい商品やポスターを登場させてリンケージさせる、新タイプのネット広告を販売するという。単純に表示させるだけでなく、広告をクリックして広告主のサイトを閲覧しないとゲームが完了しない仕組みを導入し、広告効果を高める。

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【ファスコ】が12月14日に公開する「脱出ゲーム」を対象に、広告の掲載をはじめる。ゲームはタイトル通り密室からの脱出を試みる内容で、舞台となる部屋の中にポスターや看板、商品そのものが登場するという。

ゲーム内広告については【先に報じたとおり(ゲームの広告は意外に影響力が大きい!?)】、口コミ効果をはじめとする影響力が、一般に思われているよりも強いことが報告されている。また、ゲームに限らずパソコン上などネットにつながっている環境上の画面に表示されるテキストと内容が合致した広告を配信して効果を高める「コンテキストマッチ広告」「リスティング広告」の技術が広く導入され効果的に成果をあげている。

ゲーム内で具体的にクリックさせ、そのゲームとは別のウィンドウ(画面)で表示させた広告主の閲覧を「半ば強要させる(そのアクションをしないとゲームがクリアできない)」という手法は、無料ホームページサービスにおける広告、あるいは海外のサイトや無料動画配信サービスで多々見受けられる「最初に広告を閲覧しないとコンテンツが見られない」という仕組みに近いものがある。テレビ番組におけるCMのようなもの、と考えればよい。

ただし、実際に上記手法を用いた無料動画や海外のサイトを見た人ならお分かりの通り、そのような方法で挿入された広告は「どうしても見なければならない」が、その広告に対してポジティブなイメージを持つことは多くない。印象には残るが、広告イメージとしてはマイナスになる場合も多々考えられる。また、「面倒だからいいや」とコンテンツ自身を拒否されてしまう可能性もある。

テレビCMなどと、特に今回のオプトのような広告の大きな違いは「ながら行動」であるかどうかにある。テレビは「他のことをしながら」見るのがほとんどで注力することはあまりない。だからこそ、テレビCMくらいならあまり苦にもならない。ところがネットのコンテンツ、ましてやゲームの場合は、積極的にユーザーがその閲覧やプレイに参加し注力している。

そのゲームへの集中を、ゲームとまったく関係の無い広告閲覧に、よりによってゲームの画面とは別のウィンドウを展開させるなど「気をそらす」方法で強要された場合、確かに印象は強いかもしれない。が、好意的に見られる可能性は多くない。むしろそのアクションが高いハードルとなり、ゲームそのものへの魅力が落ちる可能性も否定できない。

先の記事で

将来的にはネットワークゲームの中で、その場所の現状やゲーム内における社会情勢に応じたさまざまな広告が表示されるといったシステムの提供も、ネットワークゲームの運営会社から提供されることもあるかもしれない。それは単に広告の出稿(表示)先が、検索エンジンやブログ、ウェブサイトからゲーム内に移っただけに過ぎないと考えれば分かりやすいだろうか。


と意見を述べた。広告はあくまでも「ユーザーが注力している世界の中に溶け込んで」こそはじめて効果がある。だからこそ、注力している記事やキーワードに対応する「コンテキストマッチ広告」「リスティング広告」が効果を見せている。

広告を閲覧してもらいたい気持ちは分かるが、だからと言ってゲームの世界から引きずり出すようなページの閲覧を強要する広告はユーザーにとって快適であるとは言いがたいといわざるを得ない。ならばまだ、「×●のページにキーワードがあるぞ」とゲーム内で告知し、実際のサイトでキーワードを掲載しておき、それを入力してはじめて先に進めるといった手法の方がまだ「面白み」があるといえよう。ゲームの世界観とマッチするような「仕組み」を施せばなおさらだ。このあたり、やはり海外のマーケティングや広告のやり方が数歩先に進んでいるといわざるを得ないだろう。

もっとも、まずはゲームそのものがある程度の顧客をキープしていないと広告も何もあったものではないのだが。


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