楽天(4755)、「過剰防衛」とTBS(9401)に対抗

2005年10月31日 12:00

株式イメージ【Mainichi INTERACTIVE】が報じたところによれば、楽天(4755)TBS(9401)に経営統合を申し込んでいる件で楽天側は10月30日、「TBSの対抗手段は過剰防衛にあたる」としてTBS側に抗議する方針を固めたとのこと。さらにTBSが証券会社とアドバイザリー契約を結んだことについても「数億円の資金を浪費し株主利益を損なうもの」としてTBS株主に訴える構えだという。

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楽天曰く「TBSの株式は今後値下がりするかもしれない。そうなれば株主は取得分だけ損をする。それが分かっていて大株主にさらにTBSの株式を(安定株主確保のために)要請するのは過剰防衛に他ならない。損をした場合どう対応するのか」とのこと。

楽天の主張は筋が通っている、ように見える。とはいえ、よく考えてみれば首をかしげざるを得ない部分も多い。

たとえば「過剰防衛」。「過剰」な「防衛」とは「防衛を成し遂げる」ことを前提に、それをはるかに超える防御手段を施したという意味。TBSが意図する「防衛」が果たされるかどうかは事態が収束しなければ分からないので、現段階で「過剰だ」と攻勢側が判断するのは、単に「攻めやすくする」ための口述でしかない。現状においてはTBS側の手法は想定の範囲内、常識で考えられる範囲に思われる。

また、「株価が下がるかも知れないのに買わせるとは云々」という指摘だが、株価が上がるも下がるも基本的には市場原理に任せるしかなく、先の某私鉄グループのように「下落することが第三者の目から見ても明らか」でない限りにおいては、楽天側の主張は正当性を欠く。

楽天がTBSに指摘したことそのまますべてが、楽天側にも当てはまることも問題だろう。つまりTBSなり第三者から「楽天の経営統合に関する手段は過剰攻勢にあたる」「今件についてアドバイザリー契約を結んだことは資金の浪費で株主利益を損なう」(【TBS(9401)には日興と野村、楽天(4755)には大和が「軍師」として参戦】)と指摘されかねない。

そして何より、楽天の一連の行動によって、楽天自体の株価が落転、もとい急落している今現在の状況こそが、株主の立場からすれば「現状の動きは株主の利益を損なう」と糾弾の材料になりうる。

今回の抗議がもし正式になされれば、楽天にとってはパンドラの箱を開けてしまったことになるのかもしれない。

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