5人に4人が高等教育課程へ進学・在学者は3人に2人

2009年02月02日 06:30

大学生イメージ文部科学省は2009年1月31日までに、各国の教育指標を比較するためのデータとして「教育指標の国際比較」の2009年版を公開した。それによると、2008年における日本の大学・短大などの高等教育課程への進学率は78.0%に達していることが明らかになった。ここ数年では通常の大学や短大などの大学への進学率が増え、専修学校への進学率がやや減少する傾向を見せている(【発表リリース】)。

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今資料は日本の教育を考察する上で、その状況を諸外国との比較において確認することを目的として作られたもので、国内の各官公庁の資料やOECDのデータを用いて編さんされている。今回スポットライトを当てたのは国内資料による部分。

各年における高等教育への進学者数を該当年齢人口で割った、いわゆる「進学率」の推移を示したのが次の図。大学・短大などへの進学者が増加し、高等教育への進学率を押し上げているのが分かる。

高等教育への進学率
高等教育への進学率

ただし、「大学・短大などの進学者」と「大学・短大などの進学者+放送大学進学者」の伸び率を比較すると前者の方が伸び率が高いこと、さらに「専修学校進学者」を加えた比率はほぼ横ばいになっている状況を見ると、「放送大学進学者」「専修学校進学者」の人数が減り、その分「大学・短大への進学者」数が増えている様子が見えてくる。「大学・短大への進学者」の進学率が大きく伸びているにも関わらず、高等教育全体の進学率が横ばいなのは、ここに原因があるのだろう。

一方、進学率ではなく「在学率」をグラフ化したのが次の図。

高等教育の在学率
高等教育の在学率

こちらは進学率の伸びとは異なり、ほぼ同等に右肩上がりの様子を見せている。また、数字そのものは5~10ポイントほど進学率より低い。これは「進学時と卒業までの時間差」「途中退学者の存在」「すべての高等教育が同じ年数で卒業するわけではない(留年含む)」などの事情による。

高等教育の進学・在学率は【25歳未満の非正規雇用率は72%に急増中、ただし……】でも記したように、その年齢層における雇用関連の数字とも密接に関わってくる。高等教育課程にある人は正規社員になれるはずはなく、(職を持つにしても)アルバイトやパートでの非正規雇用という雇用形態に限定されてしまうからである。単純に「10代・20代の非正規雇用率が高い」とは言い切れない事情がここにある。

ともあれ、表題にあるように、2008年においてはほぼ5人に4人が高等教育課程へ進学し、在学者は3人に2人に至っている。ただし放送大学や専修学校への進学率がやや落ちているように見えるのが気になるところ。今後高等教育課程全体への進学率が上昇するか否かは、判断がつきにくいといえよう。

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