製品の表示内容まで対応させたのは「蒟蒻畑」のみ……こんにゃく入りゼリーの現状について

2009年01月09日 06:30

こんにゃく入りゼリー警告メッセージイメージ国民生活センターは1月8日、一口サイズの「ミニカップ」に入ったこんにゃく入りゼリーについて、事故防止のための改善実態の調査結果を発表した。それによると、各社ごとでばらつきが見られるものの、旧商品と比べて堅さでは10~80%、弾力性では0~20%ほどの柔らかさが確認された。その一方、商品一つ一つへの表示については望まれる対応が完全に行われていたのは「蒟蒻畑」(マンナンライフ)だけだったことが明らかになった(【発表ページ】)。

スポンサードリンク

絶妙な歯ごたえがたまらないゼリー系食品で、ダイエット向けアイテムとしても愛用されていた「こんにゃく入りゼリー」だが、乳幼児や高齢者の窒息事故(※注意書きを読まない、メーカー側が望まない食べ方によるものがほとんど)が相次いだことから国民生活センターなどで注意喚起がなされると共に、一部メーカーに対しては政府機関から事実上行政命令に近い改善要請が行われた。

今回、国民生活センターでは業界各社の対応がどのような進捗を示しているかを確認するため、2008年12月5日~10日にかけて実際に6社32銘柄を購入。かたさや弾力性、大きさなど事故防止の対応策について確認作業が実施された。


1.かたさ、弾力性
かたさは20~80%前後で軟化、弾力性は0~20%で弱体化が確認された。

旧商品との比較(かたさ、「工」は味によるばらつきの範囲)
旧商品との比較(かたさ、「工」は味によるばらつきの範囲)
旧商品との比較(弾力性)
旧商品との比較(弾力性)

2.形状
ほとんど変化なし。いわく「どの銘柄も一口で食べることが可能」

3.表示
業界団体で「袋おもて面の警告内容の明確化及び警告マークの拡大」「袋の裏面の警告表示等の改善」「個包装の表示の改善」の3点が宣言されたが、ミニカップのフタやパッケージ裏面の表示内容まで対応させていたのは、マンナンライフの「蒟蒻畑」のみだった。

パッケージ表面新規警告表示への対応状況
パッケージ表面新規警告表示への対応状況
ミニカップのフタ及びパッケージ裏面の表示内容
ミニカップのフタ及びパッケージ裏面の表示内容

4.消費者へのアドバイス
「ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーは子どもや高齢者に与えてはいけない」


一連の「こんにゃく入りゼリー騒動」ではさまざまな物議がかもされたが、もっとも影響を受けたマンナンライフの「蒟蒻畑」については2008年の11月26日から改良を行ったうえで販売を再開している(【発表リリース】)。ただ、流通スピードはゆっくりのようで、当方(不破)の近所では先日ようやく見かけることができるようになった。以降目に留まるたびにいくつかを手にし、レジに運んでいる。

いくつかの不幸な事故、そして不可解な動きがあった今回の「こんにゃく入りゼリー騒動」。食品を口にする時の(品質や原材料ではなく、かみくだけるかという観点での)注意がうながされるようになった点では、メリットがあったと考えることができる。誤解や不誠実な思惑にまどわされることなく、よい商品を見出して選択できる「選択眼」をひとりひとりの消費者が身につけていきたいものである。


■関連記事:
【「こんにゃくゼリー」と「蒟蒻畑」問題、再発防止は「消費者側の注意」が7割・販売中止を求める声はほとんどナシ】

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ