Karen Hamilton嬢と、彼女がようやく買えたビール、そしてパスポート

Karen Hamilton嬢はビールを購入しにテスコへ足を運んだところ、同店の女性店員から「まだ未成年の人にビールを買わせるわけには行かない」と購入を止められてしまった。テスコではアルコール類を買うお客の中で年齢が若く見える人に対して、成人であることを証明させる方針【(Think 21 policy)】があるため、Hamilton嬢が未成年に見えた店員が拒否してしまったのだ。

彼女はもちろん自分が40歳であること、二児の母親であることを店員に語ったが、店員はただ驚きと共に疑うばかり。彼女が求める24缶入りのビールのパックを引き渡すには、「身分証明書でそれを証明しなければ」とつれない返事。しかしこれまで一度もそんな経験がないHamilton嬢は、その場で写真付の、有効な証明書など持ち合わせているはずもなかった。

彼女は「なんでこんな目にあわなきゃいけないの」と腐れながら自宅に戻って、写真付きのパスポートを持参し、再度テスコへ来店。自分の年齢を確認させて、晴れてビールを手に入れることができた。テスコ側ではこの「不手際」を謝罪すると共に、このような年齢の間違いは「女性の彼女にしてみれば(とびきり若く見られるのは)賛辞でもあるのだから……」とよく分からない言い訳もしている。

彼女は彼女で「自分は確かに若く見られることはあるけど、せいぜい30代前半よ」「特に変わったことはしていないわ。普通に健康的な生活を送っているだけ」と語り、今まで18歳より若いといわれたことなど一度もないと語っている。テスコの店員とHamilton嬢がもめていた時、買い物をしていた別の人たちは「彼女が18歳未満のはずがないじゃないの」「そんなこというのなら私が代わりに買ってあげるわよ」と提案すらしてくれたが、これも店員はダメ出しをした。「子ども(＝Hamilton嬢)のためにビールを買ってあげようとしている大人がいる」と店員が主張したからだ。Hamilton嬢はこのやり取りを見て、ゆかいにすら感じたとのこと。

彼女は二週間前にも同じ店舗で同じような経験をしている。その時は男性店員が対応にあたり、彼女の年齢を聞いて大きく驚き、そしてお互いに笑みを交わしただけだったという。パスポートの提示も求められなかったし、ビールの購入も拒否されなかった。彼女はこの時「(自分が若く見られたのだわ、と感じ)ほめられたのかしら」とまんざらでもなかったとのこと。

彼女は運転免許証と学生証(現在彼女はウィンチェスター大学で、教師になるべく勉強している)を持参していたが、学生証は写真と生年月日が載っているにも関わらず「証明にはならない」と拒否された。運転免許証は古いタイプだったので写真が載っておらず証明ができないといわれてしまう。結局彼女は写真付きのパスポートを持参するため家に戻らねばならなくなったわけだ。

彼女は語る。

と。

テスコの広報担当者は「本当に申し訳ない」と謝罪すると共に「当時の店員は彼女が未成年であるかと疑っていたのです。(でもそれは)Hamilton嬢に対する賛辞として考えていただければと思います」とお茶を濁している。

世の中には老けて見える少年少女や、若々しく見える中堅～壮齢な人も多い。写真を見るに、テスコの店員が誤解をしたのも理解は……できなくないような気がしないでもない(こちらもお茶をにごしてみる)。日本ではこのようなトラブルがないように、との意図から、アルコールではなくたばこに関して「タスポカード」が導入されているが、やはり少なからずトラブルは発生している。

今回のHamilton嬢が巻き込まれたトラブルも、ビールがなかなか買えなかったことや疑われたことには怒りを覚えるのは心中お察し申し上げるが、テスコの広報担当が説明するように「若さ(に見える)ゆえの(店員の)過ち」として、笑ってる許してあげて欲しいものである。逆に「20歳も余計に歳を食っているように見えた」と言われたわけではないのだから。