不安と不信がじわじわと高まるばかりの状況が…東京株式市場での外国人投資家の売買動向、二週連続して売り超し

2008年12月18日 19:40

株式イメージ東京証券取引所は12月18日、2008年12月8日から12月12日(12月第2週)における株券の投資部門別売買状況を発表した。それによると先週外国人投資家が株を売った総額は3兆5151億0007万7000円なのに対し、買い総額は3兆3270億02531万6000円となり、差し引き1880億9776万1000円の売り超しとなった。これは先週から続いて二週連続の売り超しとなる。なお個人・証券会社共に売り超しに転じ、法人のみが先週から続いて買い超しの状態だ(【最新発表リリース、PDF】)。

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12月8日から12月12日における各部門別の売買動向は次の通り。

・法人……7219億3116万9000円/1兆0300億7649万6000円(3081億4532万7000円買超)
・個人……1兆6501億8611万3000円/1兆4881億5771万9000円(1620億2839万4000円売超)
・外国人……3兆5151億0007万7000円/3兆3270億0231万6000円(1880億9776万1000円売超)
・証券会社……1535億1829万0000円/1432億3966万9000円(102億7862万1000円売超)

(それぞれ売り/買い(差し引き))


また、この15週間における外国人投資家の動向は次の通り。

9月1日~5日……2113億5241万3000円売超
9月8日~12日……2958億3155万5000円売超
9月16日~19日……1091億3051万6000円買超
9月22日~26日……1476億2196万5000円売超
9月29日~10月3日……3426億6015万5000円売超
10月6日~10日……329億9723万0000円買超
10月14日~17日……2039億8125万1000円売超
10月20日~24日……651億0249万7000円売超
10月27日~31日……4163億5485万3000円売超
11月4日~7日……1944億0524万7000円売超
11月10日~14日……3382億7597万8000円売超
11月17日~21日……5143億1077万0000円売超
11月25日~28日……353億9015万7000円買超
12月1日~5日……3502億8486万6000円売超
12月8日~12日……1880億9776万1000円売超


今回該当週は先週より額は小さくなったもののやはり千億円台での売り超しとなり、11月末の買い超しが「だまし」あるいは「踊り場」的なものであることがはっきりした。年末を間近にひかえ、金融市場の情勢は好転材料も無く、不安と不信がじわじわと高まるばかりの状況を見せている。商品価格、特に原油価格が下げ止まらないことから、ファンドの換金売りや市場全体から見た景気後退感(景気が後退すると消費が減るのでニーズが減る、との連想から売られる)はまだまだ継続中であることが分かる。

各部門の動向を見ると、外国人以外に個人や証券会社も売り超しに転じたが、法人のみが買い超しを継続している。株価が安値で推移していることから、自社株買いなどが継続しているものと推定される。

来週以降は年末にかけて国内では資金繰り問題で中小企業が「年越しできるか」(上場企業も含め)、海外ではとりわけアメリカのビッグ3問題が気になるところ。場合によっては大きな「動き」を見せることだろう。

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