「パソコンやろうかな」男女で異なる高齢者の購入動機

2008年12月17日 12:00

高齢者パソコンイメージgooリサーチは12月16日、「高齢者におけるパソコン・ネットの利用動向に関する調査」の結果を発表した。それによると60歳以上の高齢者がパソコンを購入するきっかけや、購入の際に参考にしたものにおいて、男女の間で大きな違いが生じていることが明らかになった。元々パソコン絡みでは男女間に大きな差異が生じるのが常ではあるが、その傾向は高齢者においても変わらないようだ(【発表ページ】)。

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今調査は9月12日から16日の間、インターネット経由によるウェブアンケート形式で行われたもので、有効回答数は1064人。男女比は67.5対32.5。年齢階層比は60歳以上が56.1%、30代が17.4%、40代が12.5%など。ネット経由での聴取のため、世間全体と比べるとややインターネットに有利な結果が出ていることを考慮する必要がある。また、今回抽出した項目はすべて60歳以上の回答者によるものに限定されている。

今レポートでは高齢者を中心に、パソコンの普及や利用状態について多彩な視点からの調査結果が掲載されている。今回スポットライトをあてるのは「パソコンを購入するきっかけ」と「参考にしたもの」。高齢者自身のパソコン購入動機には関心が集まるだろうし、さらに男女間にどのような違いが生じるのかについては非常に興味深いものがある。

まず「購入したきっかけ」だが、他の項目がほとんど男女で変わらないのに対し、唯一「仕事で必要」が男性において突出していることが分かる。

パソコンを購入したきっかけ
パソコンを購入したきっかけ

これはレポートでも指摘されているように、「再雇用や定年延長などで、60歳を過ぎても現役で仕事を行う人が増えた」ことが直接の原因だろう。とりわけ別会社への再就職、同じ会社に嘱託として別業務をこなすようになるなど、「仕事をすることに変わりは無いが、これまでと違いパソコンの利用を求められるようになる」など、環境の変化でパソコンの技術が必要になる場合も増えてくる。また、再就職のためにパソコンで技術を習得する、という人も増えているに違いない。

なおわずかではあるが、「周囲にパソコンユーザーが増えたから」という回答は男性よりも女性の方が多い。いくぶん女性の方がミーハーなのかもしれない。

男女の差異がもっと大きく出ているのは「購入の際に主に参考にしたもの」。

自宅のパソコン購入にあたって主に参考にしたもの
自宅のパソコン購入にあたって主に参考にしたもの

・テレビCMはほとんど効果がない。
・男性はウェブサイトや使用実績など、すでに何らかの形でパソコンに触れていることが前提の媒体を利用している。
・女性は他人からの口コミ情報を重視する。一台目なのでパソコン使用による情報収集が出来ないから?


高齢者パソコンイメージ男性が「すでにパソコンが使えている」(恐らく仕事場などで、だろう)という前提の元で情報収集をしているのに対し、女性が「はじめてのパソコン」の感が強く、口コミ情報を重要視している(というより環境が無いのでウェブサイトを利用できない)傾向が強いことが分かる。つまり仮に高齢者に向けてパソコンのセールスをしたい場合、男性向けなら若年層向けのプロモーションと同じで構わないが、女性向けの場合には口コミに重点を置いた広報展開を考慮する必要があるということになる。

女性における口コミパワーは絶大で、半数近い女性が「参考にしている」と答えている。パソコンに限らず「口コミの影響力が大きい」のは女性共通の傾向だが、高額で生活必需品になりうるパソコンにおいてはなおさら、なのかもしれない。

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