職場でも活用されるCGM、知識共有とQ&Aサイト

2008年12月25日 08:00

インターネットイメージネットレイティングスは12月24日、インターネット利用動向調査「NetView」の2008年11月データをまとめ、その一部を公開した。それによると、CGM(Consumer Generated Media、利用者が内容を創って行くメディアのこと)の中でも辞典のように使われる知識共有型やそれに類する形で使われるQ&Aサイトは家庭だけでなく、職場でも重宝されている場合が多いことが明らかになった。アクセス人数・アクセス時間共に、これらのサイトは職場からの利用割合が大幅に多いことがその傾向を裏付けている(【発表リリース、PDF】)。

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今データはニールセン・オンラインが独自に調査している「インターネット視聴率」などのマーケティングデータをまとめたもの。リリース内では具体的な調査方法などは記載されていない。今回は各種インターネット関連のデータの中から、CGMに関する利用者数・利用時間を抽出してトピックス化、情報の公開が行われている。

各主要CGMについて、利用者数全体(家庭から+職場から)では情報共有ネット辞典こと「ウィキペディア(Wikipedia)」がもっとも多く2324万人を数え、次いで動画共有サイトの「YouTube」が1757万2000人に達している。

CGMの利用者数(家庭・職場全体/2008年11月/万人)
CGMの利用者数(家庭・職場全体/2008年11月/万人)

ブログサービスではLivedoorブログがもっとも利用者が多く1716万8000人、次いでアメーバブログ・Yahoo!ブログ・ココログの順。Q&Aサイトではずば抜けて「Yahoo!知恵袋」の利用者が高いのが分かる。

一方これを、単純な数の重ねグラフではなく、それぞれのサービスにおける「家庭から」「職場から」の利用者数比率で書き換えて見ると、職場でのネット(CGM)利用の状況がそれとなく見えてくる。

CGM の家庭と職場の総利用者数比率(2008年11月)
CGMの家庭と職場の総利用者数比率(2008年11月)

Q&A系サイトの中でもOKWaveや教えて!Gooの職場利用者率が比較的高めなのが目立つが、それ以上にYouTubeやmixiなど娯楽性の高いCGMでは(言い換えると「職場で閲覧しているところを見つかると気まずい」リスクが高いもの)職場利用者数率が低下しているのが分かる。

これがさらに顕著に把握できるのが、「利用者数」ではなく「利用時間」で区分した場合。

CGM の家庭と職場の総利用「時間」比率
CGM の家庭と職場の総利用「時間」比率

動画共有系、SNS、ブログと比べると、全般的に知識共有・Q&A型CGMの「職場からの利用時間」が高いのが分かる。具体的に「こっそり自分の娯楽で利用している」のか「仕事の素材集め・調査目的で利用している(情報収集)」のか、あるいは「バイラルマーケティングに代表される宣伝広報、世論構築のために利用している(書き込みなどによる積極的利用)」のかまでは今データからは判明できないが、少なくともCGMの中でも特に「知識共有・Q&A型サイトは「職場から利用している割合が多い」ことが確認できる。

2ちゃんねるの職場利用率は
エンタメ系よりも知識共有系に近い

書き込みの量や内容から
利用者には
知識共有・Q&A型CGMと
受け止められている

なお掲示板のたぐいについては2ちゃんねるしかデータが提示されていないが、職場利用率は30%と、エンタテイメント系のCGMよりは知識共有・Q&A型CGMに近い値を示している。これは本来エンタメ系の性質が強いものではあるが、その書き込み量や内容の濃さなどから、2ちゃんねるが知識共有・Q&A型CGMに近い、あるいはそれ相当の価値観を持って利用者に迎え入れられていることが分かる。

職場からのアクセス数・割合の多い少ないは、そのサイトのアクセス動向だけでなく、利用者のニーズの違い、社会的な立ち位置など、さまざまな面に影響を及ぼす。サイトの特徴をより確実に把握するためには、このような属性のチェックも必要になることだろう。


■関連記事:
【仕事場で見にくいサイト、見やすいサイト・利用者ランキングでも明らかに】

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