当日の新聞を朝刊配達時に! 産経新聞がiPhone向け新聞配信サービススタート

2008年12月14日 12:00

産経新聞iPhone版イメージ産経新聞は12月12日、アップル社から発売されている携帯電話「iPhone 3G」上で当日の産経新聞が丸ごと読めるサービス「産経新聞iPhone版」の配信をスタートさせた。元記事によると、日刊紙の紙面を丸ごとiPhone上に再現して配信するサービスは世界ではじめてだという([このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています][このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています][このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]【該当iTunesストア】)。

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「産経新聞iPhone版」
「産経新聞iPhone版」

「産経新聞iPhone版」は専用のアプリをダウンロードしておくことで、起動時に常に未取得の最新紙面をダウンロードする。当日の新聞データは毎朝午前5時に準備されるので(新聞休刊日翌日を除く)、言葉通り朝刊が「配達」される仕組み。途中で通信が切れても、再度アプリを起動させれば残りの部分の取り込みが行われる(一から再スタートではない)。そして一度ダウンロードが完了すれば端末内にデータが蓄積されるので、通信がつながらない場所でも「手元のデータ」ならぬ新聞を読むことが出来る。アプリなどの料金は無料。

画面を横にしたところイメージデータは新聞の「すべて」が盛り込まれているため、当然のことながらiPhone 3Gの画面サイズそのままに紙面を全部表示させたのでは、タイトル以外の文字を読むのは難しい。アプリでは3段階に拡大表示させ、さらにピンチアウト・ピンチインを行うことで自分の好みのサイズに調整が可能。

さらにiPhoneを横に傾けると、画面も横画面に合わせた方向に切り替わる。新聞記事ではありがちな「横に長く続く記事」などは、本体を横にすることで読みやすくなる。


新聞(記事)において、携帯電話やiPhoneなどの携帯端末で、一部の記事やダイジェスト的な紹介が行われることはあるが、全文を丸ごと、しかも本紙の新聞と同じタイミング(新聞の朝刊の報道協定は午前7時解禁というのが暗黙の了解のようなので、それより2時間ほども早く)で配信するというのは、元記事通りいまだかつて耳にしたことがない。しかも有料ではなく、無料で配信だというのだから恐れ入る。

有料で販売している新聞の全文を無料で配信し、どこでお金を取るのだろうか……と疑問を感じるが、そのあたりの説明は(当然ながら)元記事や説明ページにはない。案外、配信する内容が「本文」ではなく「全部丸ごと」がミソなのかもしれない。

「本紙全部丸ごと」は
「広告もダウンロード」を
意味することに他ならない。
無料のデータ展開は
広告閲覧者の増大と
それに伴う広告自身への
プレミア付加をも意味する。

つまり「全部丸ごと」には、本紙新聞に掲載されている広告も含まれる。アプリ上で記事を拡大する過程で広告は目に留まらなくなるが、それ以前はどうしても広告が視野に入る。ビジュアル的に気になるものがあれば、そちらに注目が集まることもあるだろう。つまり、広告展開におけるポイント「何人の人に見てもらえるか」という点で、この無料アプリの配信は、「多数の読者(広告をも見てくれる人)」を増やす可能性を秘めている(基本的にアプリのダウンロード数が潜在的読者数、毎朝のデータダウンロード数がリアルタイムな読者数とカウントできるのだから、数そのものの把握もしやすい)。

新聞の売買代金は取れなくても、本紙に掲載される広告に「iPhoneユーザーも●×人は見てくれる」というプレミアがつくことで、十分に経費は回収できる、さらには全体的な利益の底上げが出来ると試算したに違いない。

どれだけの成果があがるのか、広告主へのアピール度が高まるのか、正直未知数ではある。また、「紙媒体の新聞」と「iPhoneなどのデジタル端末を持つ人」の読者層は異なるため、同一広告における客層がうまくかみ合わず、「読者は増えているが効率は疑問視」となる場合もありうる。とはいえ、非常に興味深い考え方・戦略であるのは事実。今後の展開、実績に期待せずにはいられない。あるいは今後、産経新聞本紙に(iPhoneなどの携帯端末でも目立つ、注目されやすい)ビジュアル豊かな広告が増えてきたら、iPhoneアプリ効果が出てきた、と見て良いだろう。

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