39年ぶりに果たされた約束

2008年12月21日 12:00

5ポンドイメージ【BBC News】が伝えるところによると、39年前に旅先でオーストラリア人の旅行客に交通費5ポンド(現レートで670円)を貸したイギリス人Jim Webb氏(72)のもとに、12月14日付けでその貸したお金が利息付で返ってきた。代金は元金5ポンドに加え、1年あたり5ポンドの利息が付き200ポンドになっていたという。

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時は今をさかのぼること39年前、1969年4月にWebb氏は友人とヨーロッパ旅行中に立ち寄ったベルギーの港町Ostendで、オーストラリア人のGary Fenton氏と出会った。彼は「イギリスに帰るための旅費がないので、フェリー代5ポンドを貸してくれないか」と懇願。Webb氏がそれを差し出すと、「(イギリスに戻って)お金を工面できたらすぐに返すから」と約束。三人は揃ってイギリスに渡り、Fenton氏はお金を返すためにJim Webb氏の住所を教えてもらった。しかしその後今までFenton氏からの連絡は一切無かった。

それから39年たった2008年12月14日(日曜)。Webb氏の家に一通の封筒が届いていた。中には200ポンドの現金と短いメッセージカードが添えられていた。冒頭にいわく、

善良なるJim Webb様へ。借金滞納者であるGary Fentonより。
(To Jim Webb, a good man. From Gary Fenton, a tardy payer of debts.)


Jim Webb氏
メッセージカードを読む
Jim Webb氏
(From BBC NEWS)

メッセージではさらに、現在Fenton氏はオーストラリアのシドニーに住んでいること、不必要になった書類を整理している際にWebb氏の住所のメモを見つけ、ロンドンに立ち寄った際にお金を返そうと決心した(つまり郵便ではなく、直接Fenton氏がポストに投函したことになる)ことなどが説明されていた。また、200ポンドについては元金5ポンドに加え、長年返さなかったことに対する利息として1年あたり5ポンドを追加したという説明も書かれていた。

「近頃じゃ約束をしても破られるのが常。そして皆他人への信頼を失うというご時世というのに」と、Webb氏はメッセージカードを読むときに感傷的にすらなったという。

Webb氏は「自分はたまたま日曜は家にいなかったんだよ。もしいたら彼を家に招待し、歓待したのに」と残念がると共に「彼は電話番号も住所も残してくれなかった。電子メールアドレスが書かれていたので連絡しようとしてるけれども、まだ返事がないんだ」とコメント。さらに「できることなら是非とももう一度彼に会いたいね。再び会えることを楽しみにしているんだ」と「旧友」との再会を心待ちにしている。

39年間Fenton氏の自宅においてWebb氏の住所が紛失しなかったこと、39年間Webb氏が引っ越さずFenton氏との連絡が取れたことなど、数々の幸運が導いた今回のお話。もちろん「39年間も借金返済を忘れていたのか」というツッコミはあるが(笑)、良いお話であることに違いはないだろう。

ちなみにこの200ポンド、Webb氏は手元に残さずチャリティーに寄付したとのことである。


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