【更新】カゴメ、βカロテンやリコピンにアトピー性皮膚炎の病症を抑制する効果があることを確認

2008年11月28日 08:00

医療イメージ【カゴメ(2811)】は11月26日、広島大学医歯薬学総合研究科・秀道広教授との共同研究の結果として、β-カロテンやリコピンにアトピー皮膚炎の症状を抑制できる可能性があることを発表した。動物実験による確認が出来たとのこと。カゴメ側ではにんじんやトマトの摂取が病症の抑制につながることが期待できるとしている([発表リリース])。

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アトピー性皮膚炎は、皮膚の乾燥、かゆみ、湿疹などを特徴とする慢性的な皮膚の疾患であり、アレルギー性疾患のひとつ。2001年と2002年に行われた全国検診調査によると、小学生のアトピー性皮膚炎の有病率は約11%(!)で、成人しても治らない例の増加が問題になりつつある。一方で2008年にL.Chatziらによって、野菜摂取量が多い妊婦から生まれてくる子は、アトピー性皮膚炎の発症率が低いことが報告されているとのこと。この事象から「野菜の摂取がアトピー性皮膚炎の発症リスクを低くする可能性が高い」と考えられる。

今件はこれらの状況をもとに開始された研究で「アトピー性皮膚炎の特徴として、皮膚の乾燥や炎症細胞の増加などが挙げられるが、β-カロテンやリコピンの摂取がアトピー性皮膚炎(具体的な病症としては角層水分量と皮膚の炎症細胞の数)にどのような影響・変化があるのか」をアトピー性皮膚炎モデルマウスを用いて、実験した。

試験開始から8週後の皮膚の角層水分量
試験開始から8週後の皮膚の角層水分量
試験開始から8週後の皮膚の炎症細胞数
試験開始から8週後の皮膚の炎症細胞数

結果、少なくともアトピー性皮膚炎の症状、特に角層水分量の低下抑制に高い効果を示すことが明らかになった。

研究レポートでは今回の実験結果から、「β-カロテンやリコピンの摂取は、角層水分量の低下抑制、皮膚の炎症細胞の増加抑制作用を示すことが明らかになった。これらの結果は、β-カロテンを多く含むニンジンやリコピンを多く含むトマトの摂取がアトピー性皮膚炎の抑制につながることを期待させる」と説明している。

要は「βカロテンを多く含むにんじんや、リコピンを多く含むトマトの摂取で、それらの要素が働いてアトピー性皮膚炎の症状である皮膚の乾燥や炎症細胞の増加を抑制できる可能性がある」という事柄がが証明されということ。具体的な人体への効用については今後の研究成果を待ちたいところだが、我慢がしにくい子どもたちが「猛烈なかゆみ」を伴うアトピー性皮膚炎にかかり、苦しんでいる様子を見るのは非常に辛いものがある。カゴメの商品展開云々は別にしても、さらなる研究成果に強く期待したいものだ。

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