下落相場、「長期だから気にしない!」「損切りできない」が半分ずつ

2008年11月11日 08:00

株式イメージgooリサーチは11月10日、読売新聞社との共同企画調査による「資産運用に関するアンケート調査結果」を発表した。それによると昨年から続く金融市場の混乱に伴い、運用商品の変更をしなかった人の約半数が「元々長期の運用だから」と答え、残りの約半数は「含み損を抱えて売りたくても売れない」と答えていることが明らかになった。どうやらあらぶる市場の中でも「退場」しない投資家は「腰を据えた派」と「塩漬け派」に二分されているらしい(【発表ページ】)。

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今調査は10月下旬(つまり「ブラッディー・オクトーバー」がほぼ終了した時期)にインターネット経由で行われ、20歳以上の男女1074人が回答している。男女比・年齢階層比は非公開。

去年夏ごろに株式市場や商品市場がその情勢を大きく変え、市場にその姿を露呈するようになった「金融危機」「金融不安」。「金融工学」という「魔法」を悪用した者たちの化けの皮がはがれたのが大きな要因だが、何度かの節目や谷間を経て、現在世界的な金融危機が浸透中で、実体経済にも大きな影を落としている。

そのような金融不安・株安の影響で資産運用において運用商品を変更したか否かについて尋ねたところ、78%の人が「変更しない」と答えた。

運用商品の変更はあったか・予定はあるか
運用商品の変更はあったか・予定はあるか

変更しない理由についてさらに尋ねたところ、もっとも多かったのは「元々長期の運用だから(一時的な含み損は気にするところではない)」という回答で約半数を占めていた。

なぜ運用商品を変更しないのか。もっとも近いもの
なぜ運用商品を変更しないのか。もっとも近いもの
・変更しない人
「長期投資だから
含み損など気にしない」
「含み損で損切りできない」

一方、「(できれば売って変更したいのだが)含み損を抱えて売りたくても売却できないから」という回答も41%存在している。つまり約半数は「含み損でも気にしない」と無視を決め込む派、もう半数近くは「損切り出来ない」という消極的現状維持派ということになる。

これは先の【10月の急落相場でも……「損切りせずに株価回復を待つ」は48.9%】【10月の「ブラッディ・オクトーバー」を個人投資家らはどのように過ごしたか】など、別機関が調査した結果とほぼ一致しており、多くの人が(理由はさておき)損切りしない・出来ない状態であることが分かる。

なお、「利益が出ているから(わざわざ変更するまでもない)」「ほとんど値下がりしていないから」と答えている人もそれぞれ5%、4%存在していた。「売り方」(信用取引などで「売り」から入る投機方法。対象銘柄の株価が下がるほど利益が出る)なのか、よほど取引がうまいのかは不明だが、こちらも先の別機関の調査結果(プラスが1.8%、プラマイゼロが13.9%)とあまり違いは見られない。生き残った投資家のうち、1~2割がこのような市場展開でも利益を出せる「ツワモノ」ということなのだろう。


(最終更新:2013/08/02)

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