「金不足」 お金じゃなくて 金貨です メイプルリーフも すでに品薄

2008年11月07日 06:30

メイプルリーフ金貨イメージ昨今の株式や商品(先物)の乱高下市場の展開や為替の激変、ドルなど外国通貨の過剰供給などを懸念して、中長期的な投資の対象としての「金(きん、Gold)」の現物への注目が集まっている。他の商品同様に一時期の大相場と比べて値はかなり戻して(=下落して)いるが、それがニーズに拍車をかけているようだ。現物の地金をはじめとする貴金属の取り扱いで有名な【田中貴金属】では金価格が直近で底値をつけた10月下旬には「お客からの注文の電話が相次ぎ」電話がつながり難くなるという事態が発生しているほど(【発表リリース】)。

スポンサードリンク

ニューヨークの金価格推移
ニューヨークの金価格推移【フジフューチャーズ】から)。直近半年間では下落の一途をたどっている

金(地金)が人気を集めている理由はいくつかある。小麦などの食料品と違い時間があればいくらでも生産できる類のものではなく、物量的に有限であること。また石油と違い消費されてしまう機会が少ないこと(原材料として使われることはあるか「消費」はされず、リサイクルされる場面が多い)。そして何より使われる場面が多く、希少価値が高いこと。他の貴金属同様に放つ光の魔力もまた、人気を底上げするポイントでもある。

また、昨年夏以降商品先物が急上昇した理由同様に、株価下落で行く先を失った「投資・投機資金」の投資先としてスポットライトが当てられているのも一因といえよう。

ともあれ先の田中貴金属では電話が殺到した10月23日同日に、金貨やプラチナコインの一部販売停止に関するお知らせを伝えている(【発表リリース】)。それによると

・金融危機で世界的に金、プラチナへの投資需要が盛り上がっている
・ニーズが増えている関係で金貨の製造が追いつかない
・アメリカでは2008年内のプラチナイーグルコインの製造を中止、カナダではプラチナメイプルリーフコインの製造を中止
・このような状況なので、金貨やプラチナコインの品種やサイズによっては在庫のみの販売となる(在庫が切れたら販売停止)


とのこと。要は「現時点で追加輸入の見通しが立たない金貨やプラチナコインがある」ということだ。それだけ世界中で引く手あまた状態にあることが再認識できよう。

金貨イメージ特に今後アメリカでは、くだんの「金融危機対策法」に基づいた資金投入が行われる際などに、アメリカ国債をその資金源とするといわれている。市場に供給する紙幣(に近いもの)量を増やせば、相対的に1単位あたりの価値が下がる・希薄化のは株式と同じ(第三者割当増資で総発行株数が急増すれば1株あたりの価値が下がり、それを受けて株価も急落するのと同じ理屈)。そのような状況から価値に変化が生じにくい対象への投資が今後加速するとの話もある。

本当にそのような流れになるかどうかは分からない。金に限っても年単位で見ればまだまだ相当な高値圏に違いはないし(過去10年単位で見れば1999年8月につけた1オンスあたり252ドル50セントが最低価格)、今後景気が後退すればそれを利用する工業製品(例えば携帯電話)のニーズが少なくなるので、工業用素材としての金の需要は低下し、その方面での価格圧力はネガティブなものとなる。

ただ、時節の流れとして「そういうものもあるのだな」ということくらいは知っておいた方がよいかもしれない。

ちなみに株式市場でも擬似的に金へ投資することは出来る。ETF(実質的にはETN(Exchange Traded Notes)だが)として【SPDRゴールド・シェア(1326)】【金価格連動型上場投資信託(1328)】が用意されており、これらを使えば一般株式と同じポートフォリオ上で金への投資に近いものを実行できることになる。気になる人はこちらをチェックするものありだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ