あなたが知らないGMの5つの豆知識

2008年11月23日 12:00

GMイメージクライスラーやフォードと共にGM(ゼネラル・モーターズ、General Motors)はビック3と呼ばれ、アメリカの自動車産業、しいてはアメリカ経済全体を長年引っ張り続けていた。そして今やその規模が大きくなりすぎて小回りが利かず、時節の流れに対応できずに赤字を垂れ流し、逆にアメリカ経済の「足を」引っ張り続けている。そんなビック3の筆頭に挙げられるGMも、かつてはさまざまな貢献をアメリカ、そして世界に行ってきた。【AskMen.com】ではトリビア的な話として、5つの「GMがしてきたこと」を紹介している。

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GMの新車イメージ1.自動車ローンを開発
GMは1919年にGMAC(GM金融会社、General Motors Acceptance Corporation)を設立。自動車は欲しいが一括払いするだけのお金を持っていない人にローンを設定し、毎月払いで購入できるようにした。この仕組みが導入され、GMは大きくシェアを伸ばした。ライバル会社も即時に追随したが、GMのライバルだったフォードだけはかたくなにこの方法を採用しなかった。なぜならフォードの経営陣は、ローンで自動車を買うということが「滞納されたら会社の経営にマイナスとなる」ことの他に「経済そのものに悪影響を及ぼす」と考えたからだ。しかし次第に態度は軟化していき、最終的には後を追う形となる。

2.蒸気機関車を市場からけり落とした
GMは電気自動車を世の中から放逐させたことでも知られているが、同様に蒸気機関車の息の根も止めた。GMは画期的な1930年代にディーゼルエンジンを開発してディーゼル機関車を建造、蒸気機関車の半分の時間でデンバーからシカゴに到達する記録を打ち立てた。これが決定打となり、蒸気機関車はお払い箱となる。

3.外科、特に心臓まわりの医療技術発展に貢献
GMは医療、医薬への貢献も行っている。世界最初の人工心臓ポンプを作ったデトロイトの外科医Forest Dodrill博士を、GMの研究所経由で手助けした。一説にはこの人工心臓の仕様が、自動車のエンジン構造に似ていたから、との話もある。

Electrovanイメージ4.最初の燃料電池自動車を開発
GMは様々な分野のパイオニアとして名を知られているが、燃料電池自動車の分野もまたその一分野。GMは1966年に世界最初の水素燃料電池による燃料電池自動車Electrovanを開発していた。しかし当時の技術やインフラの問題(燃料電池の燃料である水素を供給するスタンドが無い、不安定な部分が多くガソリンエンジンより危険性が高かった、重量が非常に大きくなる、など)が越えられないハードルとなり、普及には至らなかった。

5.月面に人類を送り込んだ
1960年代までにさかのぼるが、GMの一部門はアポロ計画(月面に人類を送り込もうという宇宙計画)に参加していた。主にナビゲーションプログラムの部分でGMは貢献したとのこと。この技術が人類初の有人月着陸に成功したアポロ11号に活用されたという。


あれだけ大きな企業なのだから、これら5つの「豆知識」も社歴のごく一部に過ぎないのだろう。アメリカ経済の発展と共に歩んできたと表現しても過言ではない。だからこそ窮地に追い込まれてなお、強気な姿勢を見せているのかもしれない。

しかし彼らがディーゼル機関車を開発して蒸気機関車を廃車に追いやったのと同様に、社会情勢が旧態依然の社質や経営内容、展開商品を持つGMそのものを「廃車」ならぬ「廃社」(敗者でもいいのだが)に追い込もうとしている。GMは蒸気機関車と同じ道を歩むのか、それとも今再び注目を集めている燃料電池自動車のようによみがえることができるのか。それはGM自身の姿勢次第というところだろう。

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