「痛車アリ」 全体のうち約1割 「自分の車に」は50人に1人

2008年11月07日 06:30

痛車イメージ情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは11月6日、自動車のカスタマイズに関する調査結果を発表した。それによると、俗にいう「痛車(いたしゃ)」の存在について全体の1割ほどの人が肯定的な意見を持っていることが明らかになった。さらに50人に1人ほどの割合で「自分の車を痛車にしたい・欲しい」と考えている人もおり、世間のすべてから「痛車」が否定されているわけではないようすがうかがえる(【発表リリース】)。

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今調査は10月25日から10月27日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員に対して行われたもので、有効回答数は424人。男女比は53.8対46.2。年齢構成比は20代15.3%、30代49.3%、40代26.7%、その他8.7%。

「痛車」とはアニメや漫画の中でも特に「萌え」系に属するキャラクタそのものやロゴを自動車などに塗装したり、ステッカーを貼り付けたもの。自嘲気味に「痛い車だ」という表現と、元々個性の強いイタリア車を表現する「イタ車」をかけたところから生まれた言葉といわれている。

元々特定のアイドルなどを自動車(のごく一部、小さな面積)にあしらう傾向は昔から存在していたが、「痛車」と呼ばれるような明らかなものは1990年代後半から21世紀に入ってからとされている。インターネットによる情報の伝播や、カスタマイズが出来る自動車関連のゲームで「痛車」が積極的に作られるようになり、国内外を問わず多くの人に「認知」されるようになった。


「痛車」のイベントを伝える番組。これもまた「文化」

さて、自動車のカスタマイズの一つ「痛車」について尋ねたところ、全体では約9割の人が「乗ってみたいとは思わない」と否定の意見を述べた。

「痛車」はありかなしか
「痛車」はありかなしか

痛車イメージ元々「痛車」は、自動車文化が男性に傾倒していることや、対象となる「萌え絵」が男性向けのものが圧倒的に多いことなどから、否定派は女性の方が多い。また、この類の「文化」ではよくありがちな傾向として、歳を経る毎に否定派が増えている。50歳以上では否定派が94.6%に達している。

一方、「乗ってみたい」という人も全体では8.7%、男性に限れば11.4%存在する。30代・40代では1割前後に達しているあたりは「世間で色々騒がれているし、車内に何か妙な仕組みがあるわけでもないから、一度乗ってみるのもアリかな」という雰囲気だろうか。さらに「自分の車を痛車にしてみたい、欲しい」という意見の人も全体で2.1%存在する。当然ながら女性よりは男性、シニアよりは若年層の方がその割合は大きい。20代では6.2%もの人が「痛車が欲しい」と答えている。

「痛車」は表現こそ自嘲気味なところがあるが、缶バッチやTシャツのデザイン、ケータイのストラップなどと同様に自己満足以外に、「自分の興味があるもの」に関する第三者へのさり気ないアピール・自慢や、共通認識を持つものへのシグナルなどの意味もある。それがたまたま世間一般に認知されているかいないかだけの違いに過ぎない。

ちなみに「痛車」はシグナル・アピールの傾向が強い。なぜなら運転している本人には、走行中は「痛車」そのものの個性であるビジュアルが見られないからだ。これがトラック運転手などが運転席周辺にアイドルなどのポスターを貼るような「文化」との大きな違いでもある。

ともあれ、現在は否定される向きが多い「痛車」ではあるが、これも他のアニメ系文化と同じような宿命であると思われる。時代の流れが存在を許すものなら、時間の経過と共に受け入れられていくことだろう。

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