レギュラーガソリン価格と灯油価格をグラフ化してみる(11月11日版)

2008年11月11日 19:40

ガソリンイメージ幸か不幸か金融危機と景気後退で商品先物市場も落ち着きを見せ始め、それに伴い原油価格も値を下げ始めた。一時は1バレル150ドル、いや200ドルをつけるのではないかとも言われていたが、今や60ドルを前後する程度にまで落ち込んでいる。原油価格高騰時に執筆した【レギュラーガソリン価格をグラフ化してみる】【東京都内のガソリン・灯油価格をグラフ化してみる】を閲覧した読者の方から「現在の値を反映した最新版のグラフが見たい」とのリクエストがあったので、早速実行してみることにする。

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データ抽出元はいつもの通り【統計局】から。……とその前に。原油価格の動向を見ておく必要があるだろう。毎度おなじみ、商品先物ならまずはここ、という【フジフューチャーズ】から。

原油価格・WTI週足(フジフューチャーズより)
原油価格・WTI週足(フジフューチャーズより)

原油価格の代表的な値WTIの週足グラフを抽出したものだが、2008年7月第1週に最高値の147.27ドルをつけてから失速。現在60ドル前後を行き来しているのが分かる。流通などの問題もあるが、ガソリンや灯油もこのグラフに近い値を示していれば良いことになる(何しろガソリンや灯油の価格高騰の理由が、原油価格の高騰だったからだ)。

さてそれでは早速ガソリン価格から。過去データのいきさつについては「レギュラーガソリン価格をグラフ化してみる」を参照のこと。年次データには連続性がないことに注意。

ガソリン価格・年次
ガソリン価格・年次
ガソリン価格・月次
ガソリン価格・月次

年次データのうち2008年については1月から10月までの平均値を採用している。10月には月次で見れば分かるようにかなり下げた値を見せているが、平均値のため2008年全体としてはまだ高い水準となってしまう。

一方月次においては、4月の暫定税率一時解除に伴う下げを満せた以外はじわじわと上昇。原油価格の天井である7~8月付近で最高値をつけ、あとは急速に減少を見せている。ちなみに2008年10月時点で158円だが、現時点(11月11日)ではもっと値を下げているので、最終的に12月末時点の2008年平均値はもう少し下げるはずであるし、月次はさらに下降を描くはず。

ガソリンとはやや違った傾向を見せているのが灯油価格。こちらは東京都内・18リットルのデータを採用させてもらった。

灯油価格・年次
灯油価格・年次
灯油価格・月次
灯油価格・月次

上下変動はガソリンとほぼ同じだが、計測史上最高額はすでに2007年12月の時点で達成してしまっている。暖房用燃料として用いられる灯油はそのニーズが寒期に急増することから、一般的には夏より冬の方が価格が高くなる。とはいえ、昨年末の時点で最高値をつけるあたり、ガソリン以上に事態は深刻であることが分かる(このあたりは前回の記事と同じ)。

月次でも原油価格の上下とほぼ動向は同じだが、暫定税率解除に伴う下げはなく、また、原油価格の下落に伴う下げ幅が緩やかなのが分かる。これは原油価格が下げ始まったのが夏期であるため、灯油が消費されることが少なく、在庫分が高止まりしているからだと思われる。

ただしこちらも近所のガソリンスタンドに目をやればお分かりの通り、現時点(11月11日)では10月の値よりやや下げた価格帯となっている、はず。寒冷地域ではそろそろ暖房用として灯油を使い始める時期なだけに、一刻も早い原油価格相応の値に落ち着いて欲しいものだ。



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今回リクエストに従い、ガソリン・灯油価格の最新動向をグラフ化したわけだが、自動車を使っている人はガソリン1円の違いが大きく響いてくるし、北海道や東北地方の人など寒冷地域に住まう人にはこれから灯油が言葉通り「生活必需品」となるだけに気になるデータに違いない。

実際には地域別で多少の価格差は見られるものの、多くの地域で原油価格の下落に従い、ガソリンも灯油も値を下げているようだ。もっとも今度は景気そのものの悪化で、「単価が安くなっても、使う燃料費を節約しなければ」という、別方面での悩みが生じているのが現状。

寒さで身体を壊したり、危険な目にあうのは問題外。それはさておくにしても、エコで節約志向な生活を心がける体制は、地球に優しいという大義名分もある(そしてサイフにも優しい)。ガソリン・灯油をひかえる行動は、これまで同様に継続する必要がありそうだ。

(最終更新:2013/08/02)

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