株価下落で進む株・投資信託離れ。預貯金の保有比率高まる

2008年10月29日 19:40

貯蓄イメージ金融広報中央委員会は10月28日、2008年の「家計の金融行動に関する世論調査」の結果を発表した。それによると、2008年6~7月時点における各世帯の保有金融商品の割合でもっとも多い額を占めるのは「預貯金」で過半数に達していることが明らかになった。一方で債券・株式・投資信託などの有価証券は1割強にとどまっており、昨年よりその割合を減らしている。評価損などの理由もあるが、少なくとも「貯蓄から投資へ」の動きに現状は逆行しているようである(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は6月10日から7月18日の間、世帯主が20代以上で世帯員が2人以上の全国の世帯7968世帯を対象に行われたもので、回収率は48.8%・3886世帯。調査方法は訪問と郵送の複合・選択式。

2008年を含めた過去4年間における、各世帯の持つ金融商品の金額構成比について、概要をまとめたのが次のグラフとなる。

2005年~2008年における各世帯の金融商品別構成比
2005年~2008年における各世帯の金融商品別構成比

実際のデータには、例えば「預貯金」なら「決済用」「定期性」に区分されており、「各種保険」も「生命・簡易保険」「損害保険」などに分類される(個人年金保険は貯蓄性が高いのであえて別項目にした)。さらに「有価証券」には「債券」「株式」「投資信託」が内包されている。

民営化のために2008年からは「郵便貯金」が一般の「預貯金」に合流しているが、それを別にしても「預貯金」全体の割合が去年から今年にかけて増加していることが分かる。一方で過去3年間において少しずつ割合を増やしていた「有価証券」は、去年から今年にかけて2.1ポイントもその値が減っている。

この一年で
各世帯の金融商品のうち
預貯金は-6.6%
有価証券は-18.4%
減少している

金額ベースで見ると、「預貯金」は「669万円(郵便貯金含む)」から「625万円」で-6.6%。有価証券は「239万円」から「195万円」で-18.4%。実に貯金の3倍近いポイント比で有価証券の額が減っているのが分かる。

それぞれの資産の切り崩しやポジションの変更(例えば株を売って個人年金保険に充てるとか)などもあるだろう。しかしそれらは各商品すべてにおきうる話である。そのように考えると、平均額・全体に占める割合共に大きく割合を減らしている「有価証券」は、この1年間で主に評価損・確定損で大きな損失を受けていることが推定できる。

元々去年の夏から株価や投資信託の下落の傾向は見受けられたが、特に今年の9~10月における下落は著しい。今調査は6~7月に行われているため、現在においてはさらに有価証券の比率・絶対額が減少している可能性は高い。評価損が大きくなれば、リスク回避のためにそれらを手放して残りを預貯金や保険などにまわす動きも出てくるだろう。株価などの下落は多用な面で「貯蓄から投資へ」の流れを逆行させる要因となるものと思われる。

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