【更新】シンプルだが賛美すべき方法を使った適時開示情報をチェックしてみる

2008年10月28日 06:30

株式イメージすべての上場企業は業績予想の修正をはじめ、株価に影響を与えうる発表については逐次【東証の適時開示情報閲覧サービス】などでその内容を公示する義務がある。その様式は一定の共通のフォーマットがあるものの、細かい部分で企業毎の差異・個性を見出すことができる。それら毎日数百単位で公示される適時開示情報の中で、名古屋証券取引所第二部に上場する【名工建設(1869)】の業績予想修正の告知は多くの個人投資家の注目を集めることになった。

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これは10月27日の午前11時に名工建設から発表されたもので、内容はタイトル通り業績予想の修正を告知するもの、正確には下方修正を行うというものだった。[開示情報そのものはこの通り(PDF)]。

注目されたのは下方修正そのものの内容や、その理由についてではない。表記方法についてだ。

名工建設による「業績予想の修正に関するお知らせ」(一部抜粋)
名工建設による「業績予想の修正に関するお知らせ」(一部抜粋)

普段から似たような表組みをExcelなどで作っている人は「これのどこが注目を集める内容なの?」と首を傾げるかもしれない。それでは比較するため、同社が7月29日に出した第1四半期決算短信を見てみることにする。

名工建設による第1四半期決算短信(7月29日、一部抜粋)
名工建設による第1四半期決算短信(7月29日、一部抜粋)

右端が切れているが、この際細かい数字は関係ない。関係があるのは数字ではなく、その表記方法なのだから。もう一度最初のものと比較してほしい。

これでもうお分かりだろう。今回発表された「業績予想の修正に関するお知らせ」においては、マイナスの数字について「△」や「▲」などの記号で表記するだけでなく、色で区分し赤い色で表記しているのだ。

たったこれだけの違いではあるが、ぱっと見た目ですぐに状況が把握できるし、何より諸表上の緊迫感がある(ぜいたくをいえば赤字部分は太字でも良かった気がする。赤色は色としては目立つが、同時に発色関係で薄めの印象もあるからだ)。

マイナス部分を
赤い文字で表記することで
見易さ倍増、
投資家への親切度も倍増

過去の名工建設の適時開示情報をチェックしてみたが、このように「マイナスの数字は赤い文字」の表記方法を採用したのは今回がはじめてのようだ。何らかの方針転換が名工建設にあったのか、それとも今回たまたま気まぐれで赤い文字を使ったのか、はたまた表組時に間違った設定をしてしまったのかもしれない。

表彰イメージいずれにせよ、「短信などの適時開示情報は出来うる限り投資家に対し誤解を与えないような、分かりやすい表記をすべき」という大原則と照らし合わせて考えれば、非常に素晴らしい手法であることに違いない。

最近では自社の業務成績の悪化をできるだけ目立たないようにするため、項目表記を利益部分だけ「経常損失」「純損失」として数字部分をプラスで書き記すような企業すら現れる昨今(※ぱっと見ではマイナスを示す「▲」「△」がないため、すべてプラスに見える)、今回の名工建設のように「投資家への配慮」を最優先させた(と思われる)行為は、素直に褒め称えるに値するものといえよう。

もし他に同様の表記方式をしている企業の適時開示情報があれば教えて欲しいし、一社でも多くの企業が見習ってほしいものである。

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