ロードブリティッシュ卿、宇宙(そら)へ飛び立つ

2008年10月13日 12:00

ロシアの宇宙船ソユーズ(Soyuz TMA-13)イメージ【BBC NEWS】が伝えるところによると、オリジンを設立し『ウルティマ オンライン』をはじめとする『ウルティマ』シリーズの生みの親で自らを「ロード・ブリティッシュ」としてゲーム内にも登場させていることなどでも知られているゲーム開発者のリチャード・ギャリオット(Richard Garriott)が10月12日、ロシアの宇宙船ソユーズ(Soyuz TMA-13)に搭乗し、国際宇宙ステーション(International Space Station、ISS)に向かって旅立った。氏は今回の旅行(10日間の日程)に際し3000万ドル(30億円)もの費用を支払ったとのこと。なお彼の飛行で(一般人としての)宇宙旅行者は6人目になる。

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ロシアの宇宙船ソユーズ(Soyuz TMA-13)とリチャード・ギャリオット(Richard Garriott)氏イメージすでに【『ウルティマ』の生みの父、リチャード・ギャリオット氏が国際宇宙ステーションの宇宙飛行士に決定】でお伝えしているように、リチャード・ギャリオット氏の父親オーエン・ギャリオット氏(Owen Garriott)はアメリカ航空宇宙局NASAの元宇宙飛行士(Skylab II/SL-3、STS-9/Spacelab-1)。1973年には60日間の宇宙滞在を果たしている。宇宙飛行士の血が騒ぐ、というわけではないが、リチャード氏が宇宙に関心を持つのも至極当然だったのだろう。

ギャリオット氏を乗せたソユーズ宇宙船はグリニッジ標準時の12日7時1分に、ロシアの宇宙技術士ユーリ・ロンチャコフ(Yuri Lonchakov)氏やアメリカの宇宙飛行士マイケル・フィンク(Mike Fincke、宇宙ステーションで勤務予定)氏らと共に打ち上げられた。一方父親のオーエン氏はモスクワのコントロールセンターからリチャード氏をサポートすることになる。

今回のフライトでは、宇宙空間におけるたんぱく質の結晶体の成長過程をはじめとした幾つかの実験が行われる予定であることも発表されている。またギャリオット氏自身は父親のオーエン氏が行ったように地球の写真を撮影し、35年の間にどのような変化が生じたのかを確かめるとのこと。

宇宙ステーション内でユーリ・ロンチャコフ氏とマイケル・フィンク氏と交代し、代わりに10日の滞在期間後ギャリオット氏と共に地球に帰還するのは(セルゲイ・ボルコフ)Sergei Volkov氏とオレグ・コノネンコ(Oleg Kononenko)氏。このうちボルコフ氏は世界初の二世宇宙旅行士(父親のアルクサンダー・ボルコフ氏はロシアのサリュート7号やミールに搭乗した、ベテラン宇宙飛行士)でもある。

宇宙空間での滞在は人間の心理にさまざまな影響を与えると聞く。父親の職業からの影響か、ゲーム内でも色々な表現方法で「宇宙」を展開させていたリチャード氏が、実際の宇宙空間で時を過ごすことで何を得て、帰還後にどのような形で創作物に反映させるのか。史上初の「宇宙旅行体験済みゲームデザイナー」としての今後に期待したいところだ。


(最終更新:2013/08/02)

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