積水化学、「自動車のフロントガラス向けHUD」向けガラスを今秋から発売

2008年10月06日 08:00

HUDイメージ【積水化学(4204)】は10月1日、自動車用のフロントガラスに使われる新製品のガラス、『くさび形高機能中間膜「S-LEC(R) SSF-W(遮音・遮熱中間膜)、SAF-W(遮音中間膜)」』の発売を今秋から開始すると発表した。このガラスを用いれば、フロントガラス上に色々な情報を表示することができるようになる(発表リリース)。

スポンサードリンク

ヘッド・アップ・ディスプレィ イメージ図(白丸は分かりやすいように当方で追加したもの。実際には表示されない)
ヘッド・アップ・ディスプレィ イメージ図(白丸は分かりやすいように当方で追加したもの。実際には表示されない)
HUD用くさび形遮音・遮熱中間膜断面図
HUD用くさび形遮音・遮熱中間膜断面図

積水化学では独自技術(多層押出技術とナノ分散技術)を用い、断面がくさび形になる特殊形状の製膜を実現。これにより遮音機能、さらには遮音・遮熱機能を持つへッド・アップ・ディスプレイ(以下HUD)用の中間膜開発に成功した。この「S-LEC(R) SSF-W(遮音・遮熱中間膜)、SAF-W(遮音中間膜)」は自動車向け合わせガラス用中間膜の新製品として、HUD用に使われることになる。

具体的には上記写真にあるように、速度計などの運転中に必要な情報をフロントガラスに映し出すことにより、運転時の視線移動と焦点調整を減らし(従来型のものでは車体に埋め込まれている速度計と、フロントガラス越しの前面視野を交互に見なければならないため)、ドライバーの負担を軽減することになる。なお、中間膜においてこれらの機能を同時に実現した製品は世界初となるとのこと。

同社では従来ガラス用中間膜が求められてきた機能「安全性」「防犯性」に加え、「遮音性」「遮熱性」を追求。今回の新製品でそれに加え、「快適性」や「環境性能」を実現するステップを踏み出したことになる。

実際にはHUD部分が何らかのトラブルで表示が出来なくなる場合を想定し、本体から速度計がなくなることはない(そもそもガラス上に必要画像を「投影」するのだから)。また、今回発表された資料では、ガラス上に投影されている情報は速度と間近なカーブの告知情報のみだが、論理上はもっと多彩な情報(例えば簡易型のカーナビゲーション)の展開も可能なはず。

近未来SF映画に出てくるような自動車の登場はまだ少し先になるだろうが、それに向けて近づきつつあると期待させてくれる新商品といえよう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ