9割の「学校非公式サイト」は大型掲示板のスレッド利用

2008年10月30日 08:00

モバイルイメージ内閣府は10月28日までに、10月20日に開催された「青少年インターネット環境の整備等に関する検討会」の配布資料や議事概要などを公開した。それによると俗にいう「学校非公式サイト」は2008年1月~3月に確認できた時点で3万8260件存在すると報告されていたことが明らかになった。ただし「サイト」と呼ばれるもののほとんどは大規模掲示板にぶら下がったスレッド形式の掲示板で、従来の「サイト」にあたるウェブサイトやブログ形式のものは2000件足らずでしかなかったとのこと(【発表リリース】)。

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今検討会は青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備などを目的として検討を行うための会合。内閣府特命大臣の9月12日における決定で設置された。議事資料を読むと、「携帯電話の使用には柔軟性のあるフィルタリングをほどこしたものを」「学校以外での携帯電話の利用について学校内外で啓蒙すべき」「子どもの読解力を高める努力が必要」「現時点で教師はもう限界。最低限の労力で最大限の成果を生み出せるような仕組みが欲しい」などの意見が見受けられる。

今記事録では検討会内で配布された資料も公開されているが、その資料の一部に見受けられたのが、「学校非公式サイト」の確認数。今年1~3月に確認できたものとして、合計数と形態が表記されている。

学校非公式サイトの数
学校非公式サイトの数

「一般的な中高生が利用する学校非公式サイトのポータルサイトから、サイト数を調査」とあるが、すでにもうそんなものまであるのか、ということ事態、多少の驚きを感じざるを得ない。

「裏サイト」「非公式サイト」の
ほとんどは既存システムを使った
「ぶら下がり型」

世間一般では「裏サイト」「非公式サイト」と呼ばれている、学校側が確認できない・公認していない、学校内の特定生徒たちをメインターゲットにした、いわば擬似SNS的なこれらのサイト。利用者側の年齢などもあり実際には既存の掲示板システムを利用したものがほとんどであることが分かる。特に大型の掲示板ならば、ほぼ誰でも自由にスレッド(一つの話題について語れる掲示板の単位)を創設できるため、「非公式サイト」として利用されることも多い。実際、9割近い「学校非公式サイト」が、名前が「サイト」にも関わらず大型掲示板にぶら下がる形で作られたスレッドであることがわかる。他方、中には少数ではあるが、掲示板やサイト、ブログなどを独自で立ち上げ、利用している場合もある。

携帯電話の普及もあり、最近では掲示板やSNS、ブログを提供しているシステムのほとんどにおいて、携帯電話でも充実した機能を利用できるところが増えている。フィルタリング機能が充実していなければ、これらのシステムを用いて容易に「学校非公式サイト」は作られうる。

「非公式サイト」のすべてが「悪」というわけではないし、利用されているサイトの中には良い使われ方をしているのも存在する(もっとも、学校・教室単位での話ならネット上ではなくて直接話せばよいのでは、という意見もある)。しかしとかく歯止めが効かず理性や道徳、「暗黙の了解」などについて経験の少ない若年層(小学~高校)では、度が過ぎる行為が行われやすい。事実上全てを規制し、保護者や教育機関が把握するのは無理なのだから、上から規制で縛りつけるよりも、下から啓蒙などで教育していくほうが結局のところ効果的では無いだろうか。

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