回復基調弱し…野村證券(8604)、2008年9月計測分の個人投資家動向を発表

2008年10月09日 19:40

株式イメージ【野村證券(8604)】の金融経済研究所は10月6日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2008年9月計測分、PDF】)。投資家の個人市場観独自指数は少しずつ持ち直してきてはいるものの個人投資家の投資意欲が回復する兆しはまだ見えず、売買をひかえぎみであることが見て取れる。

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今調査は1000件を対象に9月19日から22日に行われたもので、男女比は70.1対29.9。年齢層は40歳代がもっとも多く32.0%、ついで30歳代が24.5%、50歳代が22.5%など。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く25.2%、500万円~1000万円が21.4%、200万円~500万円が18.4%と続いている。1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く33.4%を占めている。次いで5年以上が19.0%、1年から2年未満が18.7%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く49.2%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が24.8%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は先月と比べてやや上昇するも、過去最低水準の域。1万2900円以上に達するとの意見がやや増加。
・株式取引への意欲減退の傾向。取引の手控え。回復基調弱し。
・「市場への影響が考えられる要因」ではマイナス回答が多く、特に「国内金利・為替動向」「海外証券市場」「海外政治経済動向」が大きく下げる。後者2つは過去最低。
・魅力的な業種は「医療、へルスケア」。「建設、不動産」は過去最低。
・株主優待制度について「どちらかといえば導入してほしい」が67.8%。


という形に。9月は8月以上に加速度的な軟調さの雰囲気の中で相場が展開しており、「まだまださらに下げるのでは」という市場への不信感が全体をとりまいている(実際それはリーマン・ブラザーズの破たんなど金融市場に次々起きた激震によって証明されたわけだが)。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、上位5銘柄の多くは変わりがない。資源高で厳しい状況が伝えられる【東京電力(9501)】だが、今回はさらに順位をあげている。どうやら「より手堅い銘柄」へのシフトが起きているようだ。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……[武田薬品工業(4502)]
3位……【東京電力(9501)】
4位……[任天堂(7974)]
5位……【みずほフィナンシャルグループ(8411)】


上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。つまりそれだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。トップの[トヨタ自動車(7203)]はもはや鉄板順位で間違いないはない……が、10月に入って減収や為替の急変など、事態が急激に動いており、10月計測分以降の動向が気になるところ。

今回のデータにあるように、9月には8月以上に「色々な要因に後押しされながら、じわじわと下り坂を下っている」ような株価動向。さらに8月にはなかった「大きな落とし穴」的なマイナスイベントが多数起き、1万1000台前半まで日経平均株価は落ちてしまった。国内事情以上に国外での動きが急すぎ、日本国内投資家は振り回されているような感が強い。

10月計測分はどのような結果になるのか。株価動向そのものと共に、気になるところだ。

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