アクセス数前年比300%増し~金融危機で大いに注目を集める金融新聞系サイト

2008年10月01日 19:40

金融系新聞イメージ昨年夏の「サブプライムローン危機」をきっかけに公にされ、ますますその「イベント発生」のインターバルが縮まり、とりわけ9月以降は大きな出来事が多かった金融危機。直接金融に関連する企業はもちろん、間接的に関わる法人・個人も大きな影響を受けつつある。例えばマスメディアでは広告出稿のかなめともいえた銀行や消費者金融の財布がキツくなり、広告収入の目減りに頭を悩ませている始末。しかし【メディア・パブ】の記事によると、この逆風の中をかえって追い風としているサイトがあるのだという。当サイトでも何度か取り上げている、イギリス金融系新聞「Financial Times」の公式サイト【FT.com】がその一例なのだとか。

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メディア・パブが参照している元記事、【Journalism.co.uk】(イギリスの報道関係を取り扱ったニュースサイトの記事)には「FT.comのユニークユーザーは250%にまで爆発的に増加した(FT.com 'explodes' with 250 per cent rise in unique users)」とのタイトルが踊る。今週特に大騒ぎとなった金融危機が原因で、FT.comのアクセスは急増。9月18日(元記事掲載の前日、そう、例のリーマン・ブラザーズの件が佳境を迎えていたころだ)は昨年同日比でサイトページビューが300%増し、ユニークユーザーは250%増しにまでふくれ上がった。さらにサイトへの登録数の申込みは通常の2倍、サイト運営側がもっとも望んでいる「有料の」登録数にいたっては3倍の申込みがあった。

リーマン・ブラザーズショックで
ページビュー数は前年比300%増し
ユニーク数は250%増し
有料会員登録者数は通常の3倍
(FT.com)

元々FT.comは昨今の金融市場の動向から注目を集める記事が多数掲載されていることもあり、アクセスは増加傾向にあった。すでに3月の時点でアクセス数は前年比の32.9%プラスを記録していた。それでも9月18日のアクセス数の増加はFT.com関係者をして「爆発的です(It is an explosion.)」と言わしめるものがあった。このような急激なアクセス増加の場合、多くのサイトではサーバダウンやシステムトラブルによる表示上の不具合が生じるものだが、FT.comは強固なシステムで構築されているため、そのような問題は発生しなかったとのこと。

FT.comのトップ、Rob Grimshaw氏はアクセス数の急増(=人気の沸騰)について次のように語る。

「金融危機が叫ばれる現状は、FT.comにしてみれば非常に興味深い時期である。金融の問題は多くの人が頭を悩ませる事柄ではあるが、その問題に関心を抱き、世界の経済動向を知りたいと思う多くの人がFT.comに頼って閲覧しに来てくれる。このような状況は、我々にとって非常に喜ばしい、そして誇りに思うべきことに他ならない。今回のアクセス数増加における読者のほとんどは、積極的にうちを探して見にきてくれたのだから」


FT.comには他の有力オンライン新聞サイト同様に、プロのブロガーに記事を執筆してもらう【Alphaville】というコーナーがある。こちらはさらに熱狂的な関心が集まり、1記事に500以上ものコメントが寄せられた記事もあったとのこと。また今回の「津波的アクセス増加」では、(FT.comはイギリスのサイトであるが)アメリカからのアクセスが急増していることにも注目している。FT.com側でもアメリカからのアクセス増加に注目している最中とのこと。

Lehman Bros files for bankruptcyイメージ実は似たような話は、同じくイギリスのテレビ放送局BBCのサイト【BBC.co.uk】でも起きている。9月13日月曜に掲載された【「Lehman Bros files for bankruptcy(「リーマンブラザーズ、倒産への序曲」とでも訳すのだろうか)」】のコラム記事は猛烈なアクセスを集め、10年来の中でもっとも多くの注目(アクセス数)を集めたのだという(【BBC enjoys bumper web traffic as banks’ fortunes slide】)。

世の中に動きがあれば、その動きにフィットしたものへ注目が集まる。インターネットが普及した現在では、世界をまたにかけて注目が寄せられることになる。今回のFT.comやBBC.co.ukはその好例といえるだろう。

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