【更新】2008年9月度の外食産業の売上は前年同月比でマイナス2.4%・天候不順や日取りが主要因、か

2008年10月28日 06:30

外食産業イメージ日本フードサービス協会は10月27日、協会会員会社を対象とした外食産業の市場動向調査における2008年9月度の調査結果を発表した。それによると総合売り上げは前年同月比でマイナス2.4%となり、三か月ぶり前年同月比マイナスを記録した。天候不順や日取りの悪さを考えればむしろ健闘した値、とは協会側の談([発表リリース])。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われたもので、対象数は事業者数が179、店舗数は28827店舗(既存店はそれぞれ175、24855)と、先月と比べて事業者数は増えているものの店舗数が減少しており、新規参入業者はそれなりにあるが、それ以上に外食産業における新陳代謝・生存競争による淘汰が行われているものと思われる。

全業態すべてを合わせた9月度売り上げ状況は、前年同月比で97.6%と前年同月を2.4%下回り、先月から転じてマイナスを見せることになった。業態別では相変わらずファストフードが堅調で、前年比マイナスには違いないがその値を最小限にとどめている。さらにめん類においてはファストフード中唯一8.8%とプラスを見せている。ただしめん類は先月同様店舗数も大幅に増加しており、これが売上を底上げしているものと思われる。客単価の伸び率はばらつきがあり、「その他」項目で大きく伸びているのは先月と変わらず。目新しいスタイルの店舗で客を引き寄せ、高い料理を楽しんでもらおうという意向があるのかもしれない。

一方ファミリーレストラン部門の伸び率は全般的に今「ふたつ」。中華が一番健闘している図式はこれまでと同じで、下げ幅も最小限にとどめている。焼き肉部門が振るわず、商品単価を工夫するなどして客単価のかさ上げをするも、それ以上に客数が減ってしまい売上高が落ちているのも先月と同じ。……数か月このパターンが続いているのは、短期的ではなく中期的な傾向ということだろう。

客数データ、しいては売上高は天候に左右されるところが多い。9月は元々前年同月より休日日数が2日少なく、その上、雷雨などの天候不順などで来客数の減少要因が複数あった。このような「前提上の不利さ」を考えると、今回の数字はむしろ健闘した方ではないだろうか。

全店データ(既存店、新店合わせて)
全店データ(既存店、新店合わせて)

9月データにおいても8月に続き、ここ数か月来よく見られる「新築されためん類のお店が非常によく頑張っていることが分かる」という傾向が現れ(既存店データでは前年比で-3.7%。洋風-1.4%などと比べると下げ率が大きい)、ファストフード部門の平均を押し上げる形が見える。ただし「売上高の上昇分にほぼ肩を並べるほど店舗数が増大している傾向」や、「店舗数の増加率と客数の増加率がほぼ同じであることから、店舗単位の集客率が高まっているわけではないこと」を考えると、「過剰供給」の一歩手前の可能性も否定できない。

・天候不順と
日取りで客数減少
・ファミレスは
相変わらず
弱含み
・めん類はバブルか?

食品価格の高騰は世界的な傾向として表れてい「た」。昨今は商品価格も落ち着きを見せ……るどころか下落傾向にある。今後少しずつ商品価格にも反映されて、価格面での魅力を付加させることができるだろう。ただしそれ以上に景気の悪化が懸念されており、外食利用のモチベーションが急激に低下している状況は一朝一夕に変わることは無い。外食産業には厳しい時代が続く。

さらにリリースでも言及されているように、「食の安全」に関する問題が続々と報じられるにいたり、外食全体のイメージが悪化する懸念もある。ただでさえトレードダウンやスーパーでのまとめ買いで対応する動きがほとんど。外食産業単体で物事を考えるのも良いが、もっと何か奇抜で新しく、集客効果が期待できるような発想の展開が求められよう。もちろん、これまでの原理原則を忠実に守ることが大前提である。

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