生活習慣を見直して細胞の若さを維持し長生き人生を

2008年09月29日 08:00

健康イメージ人の死因のうち大きな部分を占める老化は、人間そのものを構成する細胞の老化からくるもの。指摘されてみれば当然のことではあるのだが、生活習慣を「細胞に優しい」ものに改善すると、細胞の老化をコントロールする「テロメラーゼ(telomerase)」と呼ばれる酵素のパラメータが改善するという報告がカリフォルニア大学によって報告された。「アンチエージング」云々が流行っている昨今、耳を傾けたくなる人も多いことだろう(【Lifestyle Changes Boost Enzyme Regulating Cell Aging】)。

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テロメラーゼという酵素はテロメアを修復し、長さを伸ばす働きを持つ。そしてテロメアとは染色体の末尾にあるDNAとたんぱく質からなる複合体で、テロメア自身が短くなって構造の完全性が弱体化すると、細胞自身の老化や死滅が促進される。要は「寿命のタイマー」のようなものだ。テロメアが短くなると各種疾患のリスクだけでなく、前立腺がん、肺がん、乳がん、大腸がんなど多くのがんによる早期の死亡とも深い係わり合いがあるとされている。

カリフォルニア大学のDean Ornish博士らのグループによれば、「食事による脂肪分のカロリー摂取を10%におさえる(10%カットではなく10%「だけ」)」「精錬された砂糖の摂取を控える」「健康的な食材、野菜、果物を選択して食べる」「ビタミンや魚油を追加して摂取する」「有酸素運動を適度に行う」「ストレス管理を実施する」「リラクゼーション管理を行う」「健康呼吸法の実施をする」などのスパルタ的なトレーニングを、低リスクの前立腺がんを持つ男性30人に対して実施。結果として三か月間でテロメラーゼ値が29%増加したほか、悪玉コレステロール(LDL)の減少が確認できた。

今回の研究は徹底した生活習慣の管理による総合的な改善が、テロメラーゼの活性化や免疫細胞のテロメア維持能力の向上をもたらしうるという、はじめての調査結果であると研究グループ側では述べている。そして前立腺がん患者だけでなく、その他の一般的な社会生活上でも当てはまることだろうとして、悪しき生活習慣の改善を推奨している。

元記事はでさらに「健康的な生活習慣を身につけるためにすべきこと」についてアメリカ家庭医学会の記事が紹介されている。こちらは機会があればあらためて紹介することにするが、ざっと説明すると「禁煙しろ」「脂肪分をひかえて野菜と果物を食べろ」「もっと運動しろ」という、ごくごくありふれた健康法を提示している。しかし当サイトで何度と無く紹介している、アメリカ人のパワフルな食生活をかえりみると、それらの言葉の重みが再確認できるから不思議なものである。

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