ゴールドマン・モルガンの一般銀行入りで大きく変動する米銀行序列

2008年09月25日 08:00

株式イメージ先に【ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが証券銀行から一般の商業銀行へ・FRB認可】で報じたように、財務状態や周辺環境の事情を受けて証券銀行スタイルから一般銀行への業務形態変更を行った、アメリカの証券銀行最大手ゴールドマン・サックスと、第2位のモルガン・スタンレー。彼らが一般銀行化することで、アメリカの銀行序列も大きく変動することになった。ゴールドマン・サックス自身も9月21日に、資産規模で自社が第4位に位置することになるとリリースで語っている(【発表リリース】)。

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これまではアメリカの証券銀行※・一般銀行の序列(資産規模)は次の通りだった。

●証券銀行
「ゴールドマン・サックス」
「モルガン・スタンレー」
「メリルリンチ」……9月にバンク・オブ・アメリカに吸収合併
「リーマン・ブラザーズ」……9月に破たん
「ベア・スターンズ」……3月にJPモルガンに買収

●一般銀行
「シティグループ」
「バンク・オブ・アメリカ」
「JPモルガン・チェース」
「ワコビア」
「ウェルズ・ファーゴ」


※証券銀行(投資銀行)……企業が有価証券がらみのさまざまなアクション(主に市場からの資金調達)に助力を行ったり、財務面からの戦略的なアドバイスをすることを主事業とする金融機関。個人は原則として相手にしない。

これらのうち、証券銀行の3位~5位は破たん、あるいは買収され、残りの上位2社も一般銀行化した。その結果、資産ベースとしては次のような序列が完成する。

●一般銀行
「シティグループ」……2.1兆ドル
「バンク・オブ・アメリカ」……1.88兆ドル
「JPモルガン・チェース」……1.78兆ドル
「ゴールドマン・サックス」……1.08兆ドル
「モルガン・スタンレー」……0.99兆ドル
(「ワコビア」……0.81兆ドル)


サブプライムローン問題が大きく取り沙汰されたのが昨年8月、ベア・スターンズの買収が今年3月という前兆はあったものの、この1、2か月の間にアメリカの金融業界が非常に大きく動いたことになる。これも迫り来る(あるいはすでに来ている)金融市場の動乱に伴うもの。果たしてこの序列がそのまま維持されるかどうかは、今後の金融市場の動向次第というところだろう。あるいはさらに、大きな動きがある可能性は否定できまい。

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