【更新】抗新型インフルエンザワクチンの摂取優先順位原案発表

2008年09月22日 08:00

パンデミックイメージ[読売新聞]など各紙が伝えるところによると政府は9月18日、備蓄している新型インフルエンザ用のプレパンデミックワクチン(流行前ワクチン)とパンデミックワクチン(流行後ワクチン)の双方における、ワクチンを摂取する職種の優先順位原案を発表した。今後厚生労働省を通じてパブリックコメントを募集して意見を求め、年度内に最終的な決定を行う予定。現時点で厚生労働省など関係各省庁の公式サイトに、今件に関する記述は見受けられない。

スポンサードリンク

「プレパンデミックワクチン」とは新型インフルエンザが流行する以前に、その発現元となるであろう鳥インフルエンザウイルスを元に作られるワクチン。100%の効果が期待できるわけではないが、事前準備としては最良の部類に入る。一方「パンデミックワクチン」は実際に新型インフルエンザが流行した際に、その原因となるウイルスを元に創られるワクチンで、当然のことながら現時点(流行以前)で作る事はできない。また、現在の技術・生産体制では日本国内分だけでも全国民に摂取させるだけの量を創るのには1年半はかかるとされている。

そこで政府では、「トリアージ」(災害などで多数の負傷者が発生した場合、救急の優先順位を決める作業)と同じ考えで、プレパンデミックワクチン・パンデミックワクチン双方において、優先的に摂取させる職種・業種のリスト化を行った。要はライフラインの維持や被害そのものの拡大を防ぐなど、社会体制を維持するのに必要不可欠とされる人たちへ優先的にワクチンを接種させるというものだ。

具体的な優先順位は次の通り(各報道から抜粋・編集)。

●1位……感染や被害拡大の防止に従事する者
 感染症指定医療機関や保健所職員。救急隊員や消防職員、検疫所や入管・税関・在外公館職員。自衛隊や海上保安庁職員。新型インフルエンザ対策にかかわる警察職員。帰国者の停留施設、国際航空、空港管理、外航海運関係者。

●2位……新型インフルエンザ対策の意思決定を行う者
 首相、閣僚。自治体首長や官公庁の新型インフルエンザ対策部署関係者。

●3位……国民の生命や健康の維持に携わる者
 上位に含まれない医療従事者、福祉や介護、医薬品・医療機器関係者。

●4位……国民の安全・安心に関わる者
 国会や地方議会議員。警察職員、報道関係(除く新聞配達)、通信事業、法曹関係者。矯正職員。

●5位……ライフラインの維持
 電気や原子力、ガス、水道。郵便や航空、金融、情報システムなどに携わる者。鉄道や貨物輸送従事者。生活必需品の製造や販売、流通関係者。廃棄物処理事業者。各種公務員。


現時点でこれらの関係者総数は1000~1500万人。優先順位が特に高い医療関係者へのは来年度からプレパンデミックワクチンの接種をはじめるとのこと。詳細については数日中に厚生労働省から正式な形で、発表と共に意見募集が行われるはず。

このようなリストが公開されると、防衛問題や原発などの事故訓練と同じように「事態を想定すること自身が危険な考えだ」と反発する声も上がるものだが、むしろ「事前に手が打てるのに、何もしないことこそ罪深い」。

また、このような危機管理はアメリカやヨーロッパが考え方・仕組みにおいて数歩も先に進んでいる。そのような「先進国」の例も参考にしながら、「まさか」「万一」への備えを積み重ねることが、安心して生活できる環境整備に役立つといえるのだろう。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ