【更新】事故米問題で小麦の輸入を一時停止へ

2008年09月21日 12:00

小麦イメージ[読売新聞]が伝えるところによると、農林水産省は9月17日、外国産小麦の輸入を当面見合わせる方針を明らかにした。小麦もお米と同じようなシステムで輸入されているため、先の事故米の問題を受け、同様の問題が発生する可能性を回避するためのもの。再発防止策が固まるまでの間の当面の措置としている。現時点で農林水産省公式サイトから正式なリリースを見つけることはできない。

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元記事によれば、一連の「事故米」問題で輸入されたお米と、アメリカやオーストラリアなどから輸入される小麦は同じような仕組みで輸入されている。小麦に関しては消費量の9割にあたる500万トンを両国から輸入。月に3回ほど輸入小麦を落札し、輸入手続を取るのだが、9月18日に予定されていた5.5万トンの入札を中止したとのこと。また小麦では残留農薬の検出経験はないものの、水にぬれるなどして品質が落ちた事はあり、それらの小麦は飼料用に使われていた。

農林水産省側では「事故米」の再発防止策が固まり次第、小麦も同じように制度を見直し、入札を再開する予定。それまでは備蓄分(適正水準の1.8か月分を上回る量)があるため、小麦不足におちいることはないとしている。

今件については農林水産省内の食糧貿易課が直接の担当となるが、その課も含め農水省側の正式発表はない。ただし「マスコミ」方面に関連資料は配布されたようで、【8月18日の事務次官記者会見】【19日の同記者会見】において

・8月18日分
記者
「今のことに関連してなのですけれども、昨日MA米の入札を延期されたのですが、今日予定されていた輸入小麦の方の一般入札なのですけれども、それも延期されたというふうに聞いたのですが、食糧貿易課の方から。今回は事故米ということで、コメだったのですけれども、麦に関しても入札を延期された。次官に言っても聞いていらっしゃらないと思うのですけれども、これはどうしてなのかということと、あと輸入麦の入札の再開に関しても、MA米の入札と同じような扱い、つまり再発防止策の実施状況を踏まえて決めるというふうに対応されるのかどうか教えてください。

次官
麦については、私まだ事情を承知しておりませんので、また改めまして、担当の方からご説明させていただきたいというふうに考えております。

・8月19日分
記者
小麦に関しても余波を受けて入札が止まっているのですけれども、こちらは。

白須前事務次官
ですから、それはまさに並びの問題だというふうに理解しておりますので、これについても早急に検討して方向を出していきたいと、こういうことでございます。

※MA米=ミニマム・アクセス米の略。ウルグアイ・ラウンド(WTOの前身)農業交渉の結果、日本の輸入義務として課せられ、輸入された外国産米。


という発言のやりとりがあるところを見ると、食糧貿易課による決定で農林水産省上層部には情報が行き届いていないようにも見受けられる。

食料の供給に政治的要因や儲けの概念が絡んでくるのは仕方ないにしても、危険なもの、元々食用向けではないものまで口にさせられたのではたまったものではない。一刻も早く違法行為をしたものに「適切な」処置を行うと共に、正しい供給を再開してほしいものだ。

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