耳掃除をしすぎるとかえって困ったことになる・米専門学会発表

2008年09月08日 08:00

耳掃除イメージ【HealthDay】が9月7日までに伝えたところによると、耳垢(みみあか・じこう)は耳かきなどで耳掃除をして取り除くことなくそのままにしておくのが、耳自身にとって一番の選択肢であることが、アメリカ耳鼻咽喉科及び頭頸部外科学会(AAOHNS、American Academy of Otolaryngology-Head and Neck Surgery)によって発表された。耳垢は新陳代謝によって生じる「ごみ」であるが、同時に潤滑作用や抗菌作用を持ち、耳を保護する役割もあるという。

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元記事が参照しているAAOHNSの記事は【こちらになる】。それをざっと訳すと次の通り。

●概要
耳垢を取りすぎると聴力を危険にさらすリスクを生じる。耳は三半規管や鼓膜を含むデリケートな部分であり、注意を払うべきだ。

●なぜ耳垢が生じるのか
耳垢は分泌物や毛、寿命の尽きた皮膚細胞が混ざったもので構成される。しかし自然体として通常生じるものであれば、抗菌性、耳の保護機能、潤滑油的な作用などを併せ持つ。耳垢が無いとかえってかゆみを感じるかもしれない。

●耳はいつ掃除すれば良いか
通常ならば耳は掃除する必要はない。ただし多量に耳垢が溜まり、次のような症状を見せて専門医への相談を求めるような状況になる前に、ある程度の掃除は必要となるだろう。

・耳の痛みを感じたり、耳の中に何か詰まったような、あるいはふさがっているような感覚があるとき。
・段階的に聴力が失われつつあるような状況に陥った時(耳垢がだんだんと溜まり、ふさいでいくということ)。
・耳鳴りや耳に雑音が聞こえるようになったとき。
・ひどいかゆみやにおい、「うみ」を生じている時。
など

●耳掃除には綿棒は使うべきではない
綿棒を使うと耳の内部にある耳垢をかえって奥に押し込んでしまい、三半規管に詰め込むリスクを生じてしまう。ほうっておけば耳垢は少しずつ乾燥して周囲のごみを巻き取りながら耳から自然に落ちるのに、それを押し戻すことにもなりかねない。また、日本でも一時期流行った「イヤーキャンドル」(特殊なろうそくに火をつけて耳垢を取り出すもの)も勧めていない。


一方で元記事には無いが、耳かきによるかゆみの解消は、人間にとって最高の肉体的快楽の対象の一つともされている。中には有料で耳掻きのみを行うサービスも存在するほど。その快楽の誘惑に負け、必要以上に耳かきをしている人もいるのではないだろうか。

「へそのごま」などと同じように、耳垢も一見すると単なるごみ・要らないもののように見えて、その実、身体を保護する機能を持っている。あまり邪険にすることなく、上手に付き合っていく姿勢が必要だろう。……もちろん不潔にしていて構わない、という意味ではないので、念のため。

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