米住宅公社に公的資金注入へ

2008年09月08日 08:00

株式イメージアメリカ政府は9月7日、ポールソン財務長官が緊急に記者会見を開き、サブプライムローン問題で経営危機におちいっていた政府系の住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫「ファニーメイ」と、連邦住宅貸付抵当公社「フレディマック」の両社を政府の管理下におくと発表した(【発表リリース】)。優先株などを公的資金で買い上げる。またアメリカの各紙報道によれば、アメリカ連邦準備理事会のバーナンキ議長も今回の決定を強く支持し、アメリカの住宅市場と金融市場の安定強化に貢献するとコメントしている。

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ファニーメイとフレディマックは現在5兆ドルもの債権を保有、あるいは保証している(発行債券そのものは1.6兆ドル)。今回の救済策で財務省が両社の優先株とワラントを公的資金で買い上げて資本増強を実施。代わりに普通株・現行優先株の配当を停止し、経営陣も刷新する。

当面はそれぞれ10億ドル・計20億ドルの上位優先株を買い上げることになる。そして新設された連邦住宅金融局(FHFA)が具体的に両社を(新経営者のもと)運営し、財務省では2009年12月31日まで逐次資金供給を続ける(FHFAにはそれぞれ両社に1000億ドルずつの融資権限も与えられる)。この両社をアメリカ政府が管理下に置く事は、アメリカ史上最大の企業救済策となる。また同時に、両社が発行している住宅ローン担保証券を買い取るプログラムも発動する。

株主責任については現状では優先株の無配化や、将来において政府が今回取得した上位優先株より、普通株や現行の優先株の株主が損失をこうむる可能性が出てくることで対応する。また今回の措置で両社が発行し、国内外の金融機関などが保有する「債券」は政府保証が付与される見通しとなる。

日本などの事例にもあるように、公的資金の注入は不可避とされ、被害が拡大する前に一刻も早く手立てを講じるようと各方面から強い要望があったものの、結局両社への資金注入はこの時点になってようやく実行されることになった。早期注入では納税者への説明がつかないから、とする理由もあるだろうが、そのおかげで処理しなければならない可能性のある額が5兆ドルにまで膨らんでしまったのも事実。

恐らくは逐次公的資金投入と政府主導の建て直しで保証・保有債券の市場価値を高めると共に、金融市場の信用性を回復させ、市場価値・流動性を高め、すべての債券に公的資金を注入する必要は無いようにさせるのが目的だと思われる(5兆ドルの全部を公的資金で買い支えるのは事実上不可能)。

果たしてどこまで効果が上がるのか、市場の判断が大きく関わってくるだけに、今後の市場動向が気になるところだ。

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