インターネット従量課金化に反対は8割強・その理由は動画やファイルのダウンロード利用!?

2008年09月27日 12:00

インターネットイメージ情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは9月26日、インターネットの従量課金制(利用通信量に比例する形で料金が積み増しされるもの、一般の固定電話料金と同類)に関する調査結果を発表した。それによると全体の8割強が従量課金化には反対していることが明らかになった。また、現状の環境を不満に思い、さらに高速化を望む人の多数が「ファイルや動画のダウンロード時」にストレスを感じており、従量課金制反対派の多くがこれらのサービスを多用していることが類推される(【発表リリース】)。

スポンサードリンク

今調査は9月9日から9月11日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員に対して行われたもので、有効回答数は415人。男女比は56.9対43.1。年齢構成比は20代12.5%、30代50.1%、40代28.4%、その他8.9%。

現在日本のインターネット環境・インフラは定額制(毎月一定料金を支払えばつなぎたい放題)が主流だが、コンテンツ容量の増大や回線スピードの増加、インターネット上の技術の進歩(特にビジュアル系の表現能力の拡大)により、送受信されるデータ量は日に日に拡大の一途をたどっている。当然インフラ上への負荷は大きくなり、サービス提供側では「経費はかさむ一方、身の入りは変わらず(むしろ競争のために漸減)」というジリ貧状態におちいりつつある。これらの事情や諸外国の動向(定額制から従量課金制への流れ)をかんがみて、日本でもインターネットの利用に従量課金制を導入しようという機運が高まっている。

この流れについて、一般利用者はどのように考えているか。その問いへの答えは当然のことながら反対派が多数を占めることとなった。

利用にあわせた従量課金化について、あなたはどう思いますか
利用にあわせた従量課金化について、あなたはどう思いますか

「従量課金」とは使った分に比例して使用料金が増えるわけだから、使う量が少なければ今までよりも料金が安くなる可能性がある(料金体系次第)。それを期待してか、利用頻度次第で現行より安くなるならという条件付で賛成な人が約1割を占めた。一方で上記に挙げたような事情を理解した上で「仕方ないな」とばかりに賛成する人は全体で3.4%。ほとんど誤差の範囲。残りの8割強は反対という形に落ち着いている。

なお今調査では同時に、現在それぞれが利用している通信回線について、高速化を望むか否か、どんな時に高速化を望むかについても尋ねている。それによれば多くがファイルのダウンロードや動画の再生・ダウンロード時に「もっと高速化してほしい」と望んでいることが分かる。

どんな時に回線高速化を望むか(高速化希望者限定)
どんな時に回線高速化を望むか(高速化希望者限定)
従量化反対派の多数は
ファイルのダウンロードや
動画の再生・ダウンロードを
多用する人たち……?

二つの調査結果に直接の因果関係は無いが、同一母体調査に対して同時に取得されたアンケート結果であることや、後者の回答者が回線スピードに対して強いこだわりを持っている人であることを考えると、「従量課金制反対派の多くがファイルのダウンロードや、動画の再生・ダウンロードを多用している」と容易に想像できる。また、その仮定を元に反対理由を考えれば、「自分のインターネットの利用スタイルで従量課金制が導入されると、利用料金が跳ね上がるか、利用を著しく制限されてしまうから」に他ならないこともたやすく理解できる。

しかもこの「理由」はサービス提供側が従量課金制導入を検討せざるを得ない理由、さらにはインターネット上の技術の発展や回線の高速化で広く普及したことにも他ならない。

データ量が増える技術は進歩したが
ビジネスモデルや
回線維持経費軽減化技術が
それに追いついていない

便利に使ってもらうため、使うために発展した技術が逆にサービス提供側の首を絞める結果となりつつあるのが現状なのだが、これは「技術の進歩に、ビジネスモデルや回線維持経費の軽減化技術か追いついていない」と考えることもできる。前者に後者が追いつくまでは、一定量までは定額制・一定量以上を使うヘビーユーザーへはプラスαを従量課金で徴収するなど、段階的・暫定的な料金体系が対応策として求められるのだろう。あとは利用者個人ベースでは、技術の進歩に期待するしか手がないのが実情だ。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ