満足わずか1割、不満は7割にも達する年金問題

2008年09月04日 08:00

年金イメージ内閣府は9月3日、「社会保障制度に関する特別世論調査」の概要を発表した。それによると現行の年金制度について満足している人は1割にも満たないことが明らかになった。一方で不満を持っている人は約7割に達しており、現場における不祥事が相次いで発覚している社会保険庁が管轄の年金制度問題に、厳しい評価が下されていることが、改めて確認されたといえる(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は7月24日から8月3日、調査員による個別面接聴取方式を用い、有効回答数は1822人。年齢構成比・男女比などの構成データ詳細は現時点では未公開。

今回発表されたデータでは、社会保障制度に関する一般市民の評価などが下されている。社会保障制度全般では75.7%もの人が何らかの形で不満を持っているという判断がなされている。

社会保障制度全般に対する満足度
社会保障制度全般に対する満足度

満足している人は10人のうちわずか2人に過ぎない。

それでは具体的に、どのような社会保障制度に満足し、また不満を持っているのか。「満足」「不満」それぞれについて項目別に挙げてもらったが、「満足」では医療制度がかろうじて2割近くを維持していたものの、その他の項目では1割にすら満たないという結果が出た。

満足している社会保障制度
満足している社会保障制度

「特に無い」という意見が6割以上を占めている。これが現実、というところだろう。

一方で「不満を持っている制度」は、やはり年金制度がもっとも多く7割近い69.7%を占めている。医療制度や介護制度などを差し置き、群を抜いた数といえる。

満足していない社会保障分野
満足していない社会保障分野

老若男女すべての人が利用している医療制度に、6割近い人が不満を持っているのも十分以上な問題といえる。しかし、次から次へと現役・過去在任の現場スタッフによる不正・不祥事が発覚し、それらで制度そのものが根底から崩壊しかねない事態におちいっている年金制度への不満感は、非常に大きなものといえよう。

年金制度に携わる、特に過去・現時点にいたるまでに不正・不祥事を働いたスタッフは、一般市民の7割が自分たちに対して厳しい目をむけ、評価を下していることを忘れてはならないだろう。もっともそのような思慮があれば、元々不正行為などは働かなかったともいえるのだが。

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