「水がまろやかになる」磁気活水器、トリハロメタンにも塩素にも効果ナシ

2008年08月21日 08:00

水道水イメージ国民生活センターは8月20日、水道管や蛇口の外側に磁石を取り付け、「水がまろやかになる」「トリハロメタンの除去ができる」などをうたった「磁気活水器」について、水道水の残留塩素やトリハロメタンの除去・低減の効果は実際には認められないことを明らかにした。センター側では広告・表示を取りやめるよう業界団体側に要望すると共に、公正取引委員会にも排除命令などを要求した(【発表リリース】)。

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市販されている「磁気活水器」の大部分は水道管・蛇口の外側にアタッチメント方式で取り付けるだけのものなのでフィルターが要らず、メンテナンスが簡単で寿命が長いことをアピールしている。多くは「水のまろやかさ」をうたっているが、中にはトリハロメタンをはじめとする有害物質の除去を広告文面に取り入れているものもある。

今回国民生活センターでは、「トリハロメタンなどの除去」を文言に取り入れている機種の中で、インターネット通販で購入できるもの6種類についてその性能を調べてみた。

総トリハロメタンの除去性能試験結果(mg/L)。事実上変化なし。なお塩素濃度は装着前後でまったく数字に変わりが無かったので省略
総トリハロメタンの除去性能試験結果(mg/L)。事実上変化なし。なお塩素濃度は装着前後でまったく数字に変わりが無かったので省略

結果として、残留塩素濃度の違いは6機種とも「まったく効果なし」、トリハロメタンも2機種は「変化なし」、4機種は1~2%程度の減少(計測上の誤差範囲)しかなく、事実上「変化なし」という結果が出た。この調査結果からセンター側では「インターネット上の広告でトリハロメタン(の原因物質)や残留塩素が除去できるとあるが、磁気活水器にはこの効用は無い」と断定。消費者側に「磁気活水器は水道水のトリハロメタンや残留塩素を除去する効果はない」と警告すると共に、業界団体には表示・広告の取りやめ、公取委には行政処分を求めることになった。

ネット上の販売ページやショッピングモールから「磁気活水器」で検索すると、下は数千円から上は数十万円までと、実に多種多様な種類の商品が存在する。今回センターが調査したのはわずかに6種類でしかないが、「君子危うきに近寄らず」という言葉にあるように、今回の調査結果を念頭において購入するか否かを決めた方がよさそうだ。

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