「メタボ」以上に関心が高い「食の話題」は……

2008年08月20日 12:00

地産地消イメージgooリサーチは8月19日、食品の安全に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると食に関する話題・キーワードの中で知名度・認知度がもっとも高いのは「メタボリック・シンドローム」であることが明らかになった。一方、認知されているキーワードの中でもっとも関心を集めているのは「メタボ」ではなく「地産地消」であることも判明した。知られていることと、興味をもたれていることとは別のようだ(【発表リリース】)。

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今調査はgooリサーチモニターのうち食料品を週一回以上購入している人を対象にインターネット経由で行われたもので、調査期間は6月27日から7月1日。有効回答者数は1059人。男女比は521対538で、年齢階層比は24歳以下が152人、その他25~34歳・35~44歳・45~54歳・55~64歳・65歳以上でほぼ均等割り当て。

食品に関するテーマやトピックス、キーワードで知名度(聞いたことがある)・認知度(意味も知っている)を確認したところ、双方とも「メタボリック・シンドローム」の項目が一番数字が高かった。ついで「食育」「トクホ(特定保健用食品)」「地産地消」「スローフード」の順になっている。特に「メタボ」は知名度98.1%・認知度93.6%と、ほぼ全員の人が意味までよく知っているレベルに達している。

一方、言葉の意味までよく知っている人に限定し、それぞれの項目について興味関心があるか否かを尋ねたところ、「メタボリック・シンドローム」を超える形で「地産地消」がもっとも関心のある項目として選ばれた。

(内容まで知っている人が)関心があるかないか
(内容まで知っている人が)関心があるかないか

「地産地消」(地元で生産された食品を地元で食するという考え方)の関心率は74.1%と、「メタボ」の70.0%を超えた数字を示している。それに続く「トレーサビリティ」(食品が生産されてから消費者の手元に届くまでの経路を示す仕組み)「食育」(食に関する教育意識を高め、食べるだけではなく作り手や作り方などを学んでいくことで「食そのもの」を体系的にとらえ、食生活そのものを見直していこうという動き)なども割合が高い。

「地産地消」「メタボ」などは最近特に話題に登る言葉であり、だからこそ関心が高いのか、それとも関心が高いから話題に登るのかと「ニワトリと卵」の話のようだが、ともあれ「身近な問題」で「これまで軽視されたポイント」だからこそ、注目を集め関心も寄せられているのだろう。

とりわけ「地産地消」については、価格よりも安全性を重視した人から関心を集めている傾向がある

安全性・価格の重視度毎の「地産地消」への知名度・認知度・関心度
安全性・価格の重視度毎の「地産地消」への知名度・認知度・関心度

一概にはそうとも言い切れないのだが、他の地域、特に海外からの輸入品と比べれば「地産地消」品は輸送経路が短くて済むため、輸送過程で何らかの添加物(防腐剤など)を必要としない場合が多い。また、生産している人・場所がすぐそばにあり、場合によっては現場を確認すらできるので、「食べる人のあずかり知らぬところで何か怪しいことをしている」という不安に駆られなくとも済む。「安全性」を重視している人が特に「地産地消」に関心を持つのも、輸送マージンの軽減より安全性の確保に期待ができるからだろう。


資源価格の高騰や添加物・食品衛生や安全上の問題が次々と出てくる昨今において、「生産している人の顔・作っている場所が確認でき」「新鮮味のある」食材を堪能できる「地産地消」という考え方は、これまで以上に魅力ある考え方に違いない。

地産地消イメージとはいえ、他地域、他の諸外国からの輸入品がなければ、本当に旬の食品しか手に入らなくなる。また、周辺地域で生産してない物は食べられなくなってしまう。「我慢できる」という稀有な人は別にして、現代社会では「100%地産地消で生活」するのは不可能に近い。

「他産他消」にかたより過ぎだった現在の食生活を見直し、「地産地消」の良い点をどんどん伸ばし、「地産地消」と「他産他消」をバランスよく取り込む。そして消費者自身も満足し、賢い食生活を送るライフスタイルこそが、今求められているのかもしれない。

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