「食の安全」を求める人の三つの「高」とは

2008年08月20日 08:00

時節イメージgooリサーチは8月19日、食品の安全に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると食品の安全志向の高い人は「高齢」「高所得」「高頻度」の傾向があることが明らかになった。安全な食品を食べたい想いは誰もが同じであるはずだが、現実と対面した上で考えると、色々と判断に迷いが生じる場合もあるようだ(【発表リリース】)。

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今調査はgooリサーチモニターのうち食料品を週一回以上購入している人を対象にインターネット経由で行われたもので、調査期間は6月27日から7月1日。有効回答者数は1059人。男女比は521対538で、年齢階層比は24歳以下が152人、その他25~34歳・35~44歳・45~54歳・55~64歳・65歳以上でほぼ均等割り当て。

食料品を購入する際に「安全性を重視するか」「価格を重視するか」について尋ねたところ、全体では「価格派」が35.5%・「安全派」が46.2%・「どちらともいえない」が18.3%を占め、やや安全派が多い結果となった。この調査結果を年齢階層別に分類したのが次の図。

「安全性を重視するか」「価格を重視するか」(年齢階層別)
「安全性を重視するか」「価格を重視するか」(年齢階層別)

若年層ほど「価格を重視」し、高齢層ほど「安全性を重視」する傾向が現れている。理由は調査結果には掲載されていないが、若年層は食品の安全性について関心が薄く、むしろおサイフ事情から価格につい目が行ってしまう。しかし高齢層ともなると財力に多少の余裕が出てくる一方、自分の身体の調子が色々な点で気になり出して、食品の安全性にも気を配るようになるからなのだろう。要は「若年層は無い袖は振れない」というところか。

また、年齢層別ではなく年収別で区分したのが次の図。

「安全性を重視するか」「価格を重視するか」(年収別)
「安全性を重視するか」「価格を重視するか」(年収別)

こちらも年齢層別同様に、「無い袖は振れない」とばかりに低収入層ほど「価格を重視」する傾向が見られる。高収入層になるほど食費にも余力が生じるので、安全性を考慮した食材選びが出来るというわけだ。

さらに図版は略するが、こまめに食品を購入する人ほど安全性を重視する傾向が強いことも今調査からは明らかにされている。要は鮮度の良いものを買い、新鮮なうちに口にする食のスタイルの人ほど安全志向が強いということだ。

これらの三点の切り口から食品の「安全性を重視するか」「価格を重視するか」を見ると、冒頭からの繰り返しとなるが「高齢」「高所得」「高頻度」の人ほど安全性を重視する割合が高いことが分かる。


地産池消イメージ念のために触れておくと、これらの3項目「高齢」「高所得」「高頻度」に該当しないからといって、食の安全性を無視しているわけではない。「高齢」の場合は「自分自身の身体状態と相談しているか否か」、「高頻度」の場合は食をどれだけ楽しんでいるか・関心を持っているかなどの要素もあるが、その他の多くの場合は(これも繰り返しになるが)「安全性を求めたくとも無い袖は振れない」という現実問題が立ちはだかっている。

生産・流通工程を考えれば、「安全性」と「価格」の両立はきわめて難しい。もしその両立がなしえる方法があれば、多くの人に受け入れられることだろう。……実はその方法の一つ足りうるのが「地産地消」なのだが、これはまた別の機会に。

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