日産が他車と「ぶつからない」よう全方向から支援するシステムを開発

2008年08月07日 08:00

バックアップコリジョンプリベンションイメージ【日産自動車(7201)】は8月5日、車線変更時の運転支援システム「サイドコリジョンプリベンション」(側面衝突防止装置)と、後退時における運転支援システム「バックアップコリジョンプリベンション」(後方衝突防止装置)を世界ではじめて開発し、すでに市販車に搭載済みの「ディスタンスコントロールアシスト」(距離間隔調整装置)、「レーンデパーチャープリベンション」(車線逸脱防止装置)とあわせ、自動車の全方位に対する運転支援システムを搭載したプロトタイプ車両を公開したと発表した(【発表リリース】)。

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システムの一覧
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今回新規開発された「サイドコリジョンプリベンション」(側面衝突防止装置)と「バックアップコリジョンプリベンション」(後方衝突防止装置)のシステム構成
今回新規開発された「サイドコリジョンプリベンション」(側面衝突防止装置)と「バックアップコリジョンプリベンション」(後方衝突防止装置)のシステム構成

日産はかねてからセーフティ・シールド「クルマが人を守る」という考え方のもと、安全技術の開発を推進している。開発にあたっては、「運転の主体は人である」という視点に立ち、表示や音に加え、ドライバーに直感的に感じられる運転操作の支援を行うことに主眼をおいている。つまり、自動車側内部の直接判断による自動車動作の強制的変更ではなく、それを運転手にうながす仕組み(動き)を優先し、運転手の自動車運転時の快適さや安全性の確保充足、さらに判断上の支援を行うことを目的としている。

リリースには言及されていないものの、これは「自動車側の自動判断による全自動的強制動作だと、運転手側の『慣れ』で機能をオフにしてしまう可能性がある」ことを危惧した意図もあるものと思われる。

今回開発、提供される「サイドコリジョンプリベンション」(側面衝突防止装置)と「バックアップコリジョンプリベンション」(後方衝突防止装置)は、いずれもセンサーを用いて該当エリアの障害物(主に他の自動車)を検知し、接触危険性などの問題がある場合には表示や警戒音で運転手に警告を与えるというもの。



「サイドコリジョンプリベンション」(側面衝突防止装置)(上)と「バックアップコリジョンプリベンション」(後方衝突防止装置)(下)の作動イメージ
「サイドコリジョンプリベンション」(側面衝突防止装置)(上)と「バックアップコリジョンプリベンション」(後方衝突防止装置)(下)の作動イメージ

さらに「サイドコリジョンプリベンション」では各車輪のブレーキを個々に制御して車の旋回力を生じさせて、「バックアップコリジョンプリベンション」ではブレーキ制御で、不測の事態が発生しないように対処する仕組み。

センサー利用で
全方向から周囲を監視。
「不測の事態」予見には
ブザーと表示と
ブレーキアシストで運転手に
「気づかせ」「サポート」する

これまで、主に車両の前方向で使用されている「ディスタンスコントロールアシスト」(距離間隔調整装置)や「レーンデパーチャープリベンション」(車線逸脱防止装置)なども、大まかな仕組みは同じで「自動車内のセンサーを用いて周囲環境を確認し、問題があれば予期しうる不測の事態を回避して適切な行動を運転手が取れるように、ブレーキなどで動きを補助すると共に、ブザーや表示で運転手に警告する」というもの。いわば「センサーを用いた『気づき』と『後押し』システム」というわけだ。

最終的な判断や運転動作は運転手自身に任せるところとなるので、このシステムの導入により完全に「ぶつからない」自動車が出来るわけではない。しかしながらこのシステムが導入された自動車なら、ケアレスミスをはじめとした運転手が通常状態の場合における自動車の接触・衝突事故は大きく軽減されることだろう。あとはセンサーの精度やブレーキなどのコントロール上のソフトウェアの機能向上に期待したいところだ。

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