リスティング 歳を経るほど 有効に 若年層には 毛嫌い傾向

2008年08月06日 19:40

インターネットイメージ情報サイト「ブロッチ」などを展開するアイシェアは8月5日、インターネット広告や検索に関する意識調査を行い、その結果を発表した。それによると検索サイト上で検索した結果に表示される広告バナー(リスティング広告)について、「出来る限り避ける」と毛嫌いする意見が半数近くの46.2%を占めていた。一方で「求めているものが出たらクリックする」と、検索結果同様に役立つものと判断している意見も35.1%に達していた。好き嫌いについては年齢層で大きな違いがあり、興味深い結果が出ている(【発表リリース】)。

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今調査は7月18日から7月22日の間、無料メール転送サービスCLUB BBQの登録会員に対して行われたもので、有効回答数は461人。男女比は50.8対46.2。年齢構成比は20代14.3%、30代46.2%、40代27.4%、その他9.3%。

検索エンジンを使う際にユーザーが入力するキーワードと関連した広告が、検索結果と共に表示されること、あるいはその広告そのものを「リスティング広告」と呼んでいる。「探し物をしている」ユーザーのニーズに近い広告が出ることから、記事内の内容にマッチした広告を表示する「コンテキストマッチ広告」より高い効果が出るとも言われている。

この「リスティング広告」に対しどのような対応を取るかについて尋ねたところ、全体では46.2%が「出来る限り避ける」と拒絶に近い反応を示していた。

検索結果内に貼ってある広告バナー(リスティング広告)、あなたはどうしていますか
検索結果内に貼ってある広告バナー(リスティング広告)、あなたはどうしていますか

上記調査結果から見えてくる傾向は次の通り。

・「リスティング広告」の意味が分からない人はほとんど皆無
・男性よりも女性、若年層よりも壮齢層の方が、「広告」であることを気にせずに「役立つ」ならばと検索結果と同列に見なして「リスティング広告」をクリックの対象にする
・若年層ほど「広告、邪魔」とばかりに「リスティング広告」を毛嫌いする傾向がある


特に若年層(20代)と壮齢層(40代)の間には、「避ける=毛嫌う」「求めているものが出たらクリック=気にしない」それぞれの割合に5割程度の違いが出ている。例えば「毛嫌い」は40代は38.1%だが、20代はその47%ポイント増しの56.1%もの人が嫌っている計算になる。

この調査だけでは断定は出来ないが、若年層ほどインターネット広告の仕組みに熟知しており、「リスティング広告」は近しい内容へ誘導する可能性が高いもののあくまでも「広告」でしかなく、検索結果そのものとは別物であることを知っており、それゆえに「邪魔者扱い」しているものと思われる。

高齢層にリスティング広告が有効なのは
そもそも「広告」だという認識が
薄いからかもしれない

一方壮齢層はそのような事情を理解していない場合が多く、「検索結果そのものと違うけど、似たような内容でもあるし、探していたものの答えが得られそうな内容だから」とクリックしてしまうのだろう。

いわば事情通であるか否か(インターネットリテラシーの高低)が、リスティング広告の効用の高低を決定付ける一因となるわけだ。これはインターネットの歴史上、通常のバナー広告が当初は物珍しさからクリック率が高かったものの、今では当初の数分の一に落ちてしまっていることなどと状況的に類似しているといえる。

今後「リスティング広告」そのものが広域に使われるようになり、「リスティング広告とは何ぞや」が世間一般に・幅広い年齢層に認知されるに従い、このような年齢層別の効果の違いも薄れてくるものと思われる。

ただしこの違いが、歳を経るごとに物事に寛容となり「広告だろうと何だろうと、自分に役立てばいいではないか」という心境の変化からくるものであれば、たとえリスティング広告が公知されるようになっても「若年層と壮年層の間の効果の違い」は引き続かれる。残念ながら今調査からだけでは、そこまで判断することは難しい。


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