【更新】「口利き出来なきゃ議員の存在意義が無い」教員口利き問題で開き直る議員たち

2008年08月03日 12:00

時節イメージ教員の採用試験において教育機関の中枢まで採用の口利きや見返りのリベートが横行するなど、「教育とは何ぞや」と語っていたトップたちが実は清廉どころか汚職まみれだったことが発覚し、現在も事実が日刊紙のごとく明らかにされている大分の「口利き教員」問題。最近の当サイトでは「新聞を一次情報源とする記事」はあまり取り扱わない方針だったのだが(「最初から新聞を読めばよい」という考え)、今回その「口利き教員」問題で気になる話があり、取り上げることにした。読売新聞の[教員採用での口利き・連絡、27都道県の議員が「ある」]がそれだ。

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これは読売新聞が全国の100人の都道府県議(県議会の議員など。要は地方自治体の「住民の声の代表者」)に取材した結果で、そのうち27人が「教育委員会から選考結果の個別連絡を依頼したり、採用を巡って教委に口利きしたりしていた」ことが分かったという。

27人のうち多くが「合否の結果を事前に教える」という情報伝達レベルのものや「口利きをしても結果に反映されることは多くない」と成果が無いに等しいものだが、その一方で「議員」からの声として

・「すべての口利きがダメというのであれば、県議としての存在意義がなくなる」(愛媛県議)
・「かつては補欠合格だった人が県議の口添えで本採用になったこともあった。それはそれで良かったのではないか。しゃくし定規すぎると人材の流出にもなりかねない」
(宮城県議)


と、開き直りとしか思えない回答もあったとのこと。

細かい証言に目を通すと、有権者・住民側が当たり前のように不正(口利き)を要求してくるという態度に問題がある面も見受けられる。しかしそれ以上に「しゃくし定規」云々と問題をすりかえて正当性を主張したり、果ては「県議会議員」の仕事を人事面での不正行為と勘違いしている議員がいることには驚きを隠せない。

「しゃくし定規すぎる」という議員にはぜひとも試験制度の改正の先頭に立って、「オープンな推薦制度」の導入に尽力してほしいもの(やましいことが無ければ堂々と出来るはず)。「存在意義」云々を語る議員には県議関連の法令を丸暗記してもらうか、県議の職務に「教職員の口利きを行い(金銭的・非金銭的を問わず不当な)報酬を得ること」を加えるよう、自分の体験談を踏まえて議会に提案してほしいものである。


教職員とはこれから知識を積み重ねて社会に旅立つ子どものために「人として大切なこと」を教え込んでいく、非常に意義のある、そしてとても大切な職務を担っている。いわば子どもたちを未来に誘導していく第一人者、現場の先頭に立つ人たちだ。だからこそ明確で厳粛な採用ガイドラインがあり、試験がある。しかし「実は社会のルールを破って、インチキでここにいます」と分かったら、教えを受けている子どもたちはどのように感じるだろう。少なくとも大人たち・社会そのものに良い印象を持つとは思えない。

「教職員になる側の事情があるから、口利きしても良いではないか」そんな理由で議員側が口利きを正当化しているとしたら、「本当の当事者たる子どもたち」を置いてけぼりにした考えとしか言いようが無い。彼らは実際に教育を受ける子どもたちの前でも、同じ主張が出来るだろうか。是非ともやってみてほしいものだ。

あるいは「大人の世界はきれい事ばかりではないんだよ。法令に反しても汚いことをしなきゃ生きていけないんだよ」と伝えるつもりかもしれない。その場合は同じことを、選挙民の前で主張してほしいものである。結果は選挙民が選挙で示してくれるだろう。

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