一挙に50分の1の銘柄も! 9月1日からETFの売買単位が引き下げ

2008年08月25日 12:00

株式イメージ東証(東京証券取引所)などの証券取引所で株式のように取引を行えるようにした、上場している投資信託のことを上場投資信託(ETF、Exchange-Traded Fund)と呼んでいる。一般の投資信託が株式売買とは多少異なる取引方法・仕組みの金融商品なのに対し、ETFは実質株式と何ら変わずに取引可能なのが最大の特徴。東証などでは金融商品の選択肢の幅を広げるため、多種多彩なETFを展開している(【東証のETF一覧】)。そのETFにおいて、9月1日にちょっとした動きがある。多くの銘柄で売買単位が引き下げられ、少額でも取引ができるようになるというものだ。切り替え時期が近づいてきたのと、リクエストがあったので、ここで少々触れてみることにする。

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具体的なリリースは【こちら(国内指数連動型ETF)】【こちら(海外ETF)】。詳細はそれぞれのリンク先で確認してほしいが、国内指数連動型ETFは現行の1/10、海外ETFは1/10と1/50(ゴールド・シェア)というダイナミックな変更。理由には一切触れていないが、恐らくは「あまりにも出来高が少なすぎて、取引が閑散としている。少額でも売買可能にして、多くの人に注目してもらおう」というのがホンネのところだろう。

例えば同じ金(きん、Gold)を対象としている二つのETF【金連動投信(1328)】【SPDRゴールド(1326)】の違いを見れば一目瞭然。



SPDRゴールド(1326)(上)と金連動投信(1328)(下)のチャート。行き着くところは金の価格なのでチャートの形がほぼ同じのなのは分かるが、出来高が1桁違う(それぞれの下の段。SPDRゴールドは1万単位、金連動投信は10万単位の区切り
SPDRゴールド(1326)(上)と金連動投信(1328)(下)のチャート。行き着くところは金の価格なのでチャートの形がほぼ同じのなのは分かるが、出来高が1桁違う(それぞれの下の段。SPDRゴールドは1万単位、金連動投信は100万単位の区切り)。

「金連動投信の方が上場している歴史が長い」というのも理由にあるが、金連動投信とSPDRゴールドとの間には取引高の面で1桁の違いが生じている。もちろん金連動投信の方が多い。これは、金連動投信が売買単位が10株で3万円前後から購入できるのに対し、SPDRゴールドは50株単位のため(基準価格の違いもあるが)、45万~50万円程度の額が必要になるのが原因。

金イメージ金連動投信とSPDRゴールドの間には裏付けられているものや価格設定の際の細かな違いがあるが、「ETFって株式と同じようなもんだよね」というレベルで考えている多くの個人投資家にとっては「金価格と連動しているETFで、結局どちらも同じだよね」という認識のはず。ならば、売買しやすい金連動投信を選ぶのは当然のお話。

SPDRゴールドも、東証の努力目標「1取引単位は5万円~50万円の範囲」に収まっている。本来ならば何の問題もない。とはいえETFの存在理由の一つに「直接株式で投資できない対象に’気軽に’投資が出来る選択肢を用意する」がある以上、売買単位を引き下げて、小口の投資家に場を用意するのは十分意義のある話。また、「大証が用意した金ETFに(低価格売買単位の設定が)出来て、東証に出来ないはずがない!」という意味合いもあるようだ。

9月1日の売買単位の改正後、注目すべきETFと、その売買単位などは次のようになる。

・SPDRゴールド(1326)……50株→1株(9000円前後)
・TOPOX連動型上場投資信託(1306)……100株→10株(1万3000円前後)
・TOPIX Core30連動型上場投資信託(1311)……100株→10株(8000円前後)


SPDRゴールドは先に説明したように、金価格と連動したETF。【東証が金ETFを6月30日に上場・証券コードは1326】でも「取引単元が多少大きいだけで、大証の金ETFと何ら変わりはないじゃないか」とツッコミを入れたが(そしてこれが取引を閑散とさせる要因でもある)、その問題点が解消されることになる。

■ETF売買単位の小口化メリット
・購入ハードルの低下
 →取引参加者、出来高の増加
 →流動性の確保、健全化
・10万円以下で複数単位購入可能
 →ネット証券などでは
  手数料無料で売買できる
(SPDRゴールドなら現物の金の
 代わりに、という考えも)

また、【TOPOX連動型上場投資信託(1306)】【TOPIX Core30連動型上場投資信託(1311)】は(他の日経平均・TOPIX連動ETFと同じように)、個別銘柄を追いかけるのが面倒な人や、個別銘柄のヘッジをしたいが先物は怖い(口座が開けない、面倒くさい)という人が使うことでも知られている。

これらのETFの1売買単位が9000円前後となれば、取引に対するハードルが低くなるのはもちろんのこと、「1取引あたりの金額が10万円以下は手数料無料」制度を採用しているネット証券を利用している人には「手数料無料でETFの売買が出来る」ことになる。特にSPDRゴールドについては、金の現物の貯蓄代わりにする人も出てくるだろう。


元々売買額が小さめでもさっぱり人気の無かった、各セクター別のETF(NEXT FUNDS~)などは、たとえ売買単位を1/10にして10万円以下で複数単位を買えるようにしても、大した出来高の違いはないだろう(例えば【NEXT FUNDS不動産(TOPIX-17)(1633)】など、この二か月で最大の取引高は120株・12単元でしかない)。

投資イメージしかし上に挙げた「SPDRゴールド(1326)」「TOPOX連動型上場投資信託(1306)」「TOPIX Core30連動型上場投資信託(1311)」の3ETFは、売買単位の引き下げで、今まで以上に注目を集め、売買が盛んになるものと思われる。また、それぞれ自分の証券会社の手数料一覧と照らし合わせながら計算すれば、余計な手数料を極力抑える形での財形貯蓄のようなことも出来る。

個別銘柄を調べるのが面倒くさい、あるいは金価格の変動に興味がある人は、この単位変更を機会にこれらのETFを見直してみてはいかがだろうか。

……個人的には金だけでなく、東京穀物取引所(コーヒー、大豆、とうもろこしなど)や東京工業品取引所(原油など)で扱われているような商品にまで、ETFの対象が広げられると非常に面白いと考えているのだが。現行法ではまだ難しいようだ。


(最終更新:2013/08/03)

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