賞味期限は3年! 「チキンラーメン」が非常食として登場

2008年08月23日 12:00

チキンラーメン・カン(防災・備蓄用長期保存缶)イメージ[日清食品(2897)]は8月22日、CSR(企業の社会的責任、Corporate Social Responsibility)活動の一環として、同社発祥の地である大阪の三自治体(大阪府・大阪市・池田市)に対して新開発の「チキンラーメン・カン(防災・備蓄用長期保存缶)」を合計10万食寄贈したことを発表した。8月25日に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」が発売50周年を迎えることを記念して行ったものでもあるとのこと(【発表リリース】)。

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チキンラーメン・カン(防災・備蓄用長期保存缶)
チキンラーメン・カン(防災・備蓄用長期保存缶)

同社ではCSR活動の一環として百福士(ひゃくふくし)というプロジェクトを実施している。これは創業者・安藤百福の遺志を受け継ぎ、創業50周年をスタート年として今後50年間に合計100の社会貢献活動を行うというもの。すでに自然体験活動指導者養成事業「”あやしいオヤジを、正しいオヤジに変える!”プロジェクト」、アフリカ事業化自立支援「ケニアOishii(おいしい)プロジェクト」が実行済み。今回のチキンラーメン・カン(防災・備蓄用長期保存缶)の提供は「”もしもの時のチキンラーメン・カン”プロジェクト」と命名され「百福士」事業の第三弾として数えられる。

「チキンラーメン・カン(防災・備蓄用長期保存缶)」は3年間の長期保存(通常の商品の賞味期限は袋で6か月、カップで5か月)が可能な防災・備蓄用として、今回特別に開発されたもの。災害時にもっとも必要とされるのは食品であることを考慮し、開発、提供された。通常版とは外装が異なる他に、内部に脱酸素剤が入っていることなどに違いがあるが、「かやくを袋から取り出してめんの上にのせ、熱湯を注いで3分間で食べられる」仕様は通常のチキンラーメンと変わらない。

構成内容も国産チキン100%を用いた「元祖鶏がらスープ」、鶏肉にねぎ、半熟風の卵などごく普通のチキンラーメンと同じ。容器には酸素遮断性のあるプラスチック容器が採用されている。なお、今製品は寄付用として開発されたもので、一般販売は行われない。

【賞味期限は3年・5年! キャラメルの「ミルクキャラメル」とビスケットの「マリー」が非常食として登場】にもあるように、防災意識の高まりと、「商品の新しい付加価値の創造」という観点から、自社商品の非常食化が各食品メーカーで進められている。身近な食品が非常食化されることで多くの人が親しみやすい食品が備蓄され、「万が一」の時にも安心して食せる体制を確保できるし、企業側も社会的貢献や新しい販売ルートが開拓可能となる。まさに一石二鳥な動きといえる。

今回の「チキンラーメン・カン(防災・備蓄用長期保存缶)」は現時点では一般販売の予定はない。しかし仕様を見る限り、このまま販売しても十分に一般からのニーズはありそうな気がする。生産コスト的に1つ1000円などの高額になってしまうのなら話は別だが、通常の「チキンラーメン」にプラスα程度の価格なら大いに魅力のある商品として展開できると思われるのだが、どうだろうか。


(最終更新:2013/08/03)

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