富士フィルムでは元々、デジカメで撮影した画像をプリントする「デジカメプリント」や、複数の画像をまとめて写真集を作れる「フォトブック」などのサービスを展開している。そしてこのサービスをインターネット経由で注文できる「オンラインプリントサービス」で、便宜性の向上を推し進めている。

一方任天堂ではWiiにおいて、利用者がデジカメや携帯電話で撮影した画像データをSDカード経由で取り込み、テレビ画面に表示させたり写真を加工したり、さらにはスライド仕立てにするなどの利用方法を「写真チャンネル」という形で提案している。

今回提供される新サービス「Wii デジカメプリントチャンネル」は、富士フィルムの「オンラインプリントサービス」と任天堂の「写真チャンネル」を組み合わせ発展させるもの。家庭内に溶け込んだWiiを使ってデジカメやケータイの画像データを編集、プリントアウトまでのプロセスを提供していこうという試み。「デジカメプリントチャンネル」そのものは無償でダウンロードし、利用できる。

現時点で「Wii デジカメプリントチャンネル」が提供するサービスは次の3タイプ。

SDカード内の画像データを「Wii デジカメプリントチャンネル」で読み込んだら、購入したいサービスを選び、使いたい画像を選択。価格などを確認した上で注文する。

システムそのものの流れ

なお、送料を含めた代金はJCB、VISA、マスターカード、アメックス、ダイナースなどのクレジットカードにて決済される。

今回のサービスは、「一般の人にはハードルが低いものの、デジタル上のデータのやり取りでしかなかったWiiの『写真チャンネル』」と、「一般の人にはハードルが高めのパソコンを使わないと利用できない、デジタル画像と実物の写真・アルバムをつなぐ『オンラインプリントサービス』」の長所を結びつけるもの。さらにWii上のコミュニケーションキャラクタMiiも使えるようにするなど、「Wii デジカメプリントチャンネル」ならではの仕組みも加味している。

「Wii デジカメプリントチャンネル」は「オンラインプリントサービス」「写真チャンネル」のよいところを取り合わせた形

今回のようなサービスが実現できたのも、WiiがインターネットやSDカードが使える家庭用ゲーム機であることはもちろんだが、ひとえに特定年齢層やユーザー層ではなく、幅広い年齢層に支持を集めた「家庭構成員全体向けの端末」として受け入れられつつあることからだろう。

今サービスはゲームと比べると利用頻度は高くない。また支払いに(現時点では)Wiiポイントが使えないなど残念な点もある。しかし、今後次々に展開されるであろう「Wiiを家庭内のネット端末として用いる」サービスの先駆者となりうる可能性は十分といえる。今後の利用度や任天堂のさらなる「提案」に注目したいところだ。