マーケットメイク方式採用・大和證券も独自PTS「ダイワPTS」を8月8日スタート

2008年07月04日 06:30

株式イメージ【大和證券(8601)】は7月3日、私設取引システム(Proprietary Trading System、PTS)運用業務に関する認可を取得したこと、これに伴い8月8日から同社によるPTSを始動することを発表した。正式名称は「上場有価証券等の私設取引システム(ダイワPTS)」。国内PTSでは初のマーケットメイク方式を採用する(【発表リリース】)。

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現在日本のPTSというと【SBIホールディングス(8473)】傘下のSBIジャパンネクスト証券で展開されている私設取引システム「ジャパンネクストPTS」がもっとも知られており、それに【カブドットコム証券(8703)】の「Kabu.comPTS」などが続いている。今回大和證券が発表したPTSは他社との連携ではなく単独によるもの。

●仕様概要
・8月8日スタート
・取引時間は18時から23時59分
・売買気配提示方式(マーケットメイク方式)
・取引手数料は無料
・取り扱い銘柄は約2000(スタート時)
・現物取引のみ。信用取引は無し
・基本的に受け渡しは5営業日目
・値幅制限は基準価格から20%上下


大和證券単独運用のため、必然的に「ジャパンネクストPTS」と比べれば流動性が気になるところ。だが、あるいはだからこそ、マーケットメイク方式が採用されたともいえる。つまり「参加する複数の取引参加証券会社が、同一の銘柄に対し売り・買いに応じる価格と数量(=気配)を提示し、そのうち発注者にとって最も有利な気配で売買取引を行う」ため、「売り手がいなくて買えない」「買い手がいなくて売れない」という事態は起きないようになっている。

大和證券のPTSは【大和証券も夜間取引市場開設へ・独自のPTSで12月にスタート】にもあるように、本来ならば去年末にスタートする予定だった。しかし認可やその他市場動向などから半年以上遅れてのスタートとなったのだろう。オークション方式と比べると投資家にとっての実質的手数料が高めになるのが難点だが、逆に「相手がいないために売り買いが出来ない」という事態は想定しにくいため、何かあったときの緊急避難・緊急対応としての対応策にはむいているかもしれない。

また、昨今複数の証券会社がPTSに対して積極的なアクションを取りつつあるのが気になるところ。これは(後ほど改めて触れることもあるだろうが)、単に昼間取引の補完や各証券会社の主幹サービスのサポートだけではなく、別の目的もあるのかもしれない。

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