ハイパーインフレのジンバブエ、大規模なデノミネーションの可能性

2008年07月30日 12:00

ジンバブエのハイパーインフレイメージ先日[このリンク先のページ(Cnn.co.jpなど)は掲載が終了しています]などで伝えられているように、「1000億ジンバブエ・ドル紙幣」(正確には特別アグロ小切手)まで登場した、ハイパーインフレが進行中のジンバブエ。【Mail Online】が伝えるところによると、ジンバブエの中央準備銀行総裁の見解として、桁を切り下げる(デノミネーション)可能性があることが明らかにされた。

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ジンバブエのインフレの加速度のすさまじさはすでにいくつかの記事でお伝えしたとおりだが、元記事によれば1年間で1200万%に達しているとのこと。そして事例として、「先週1000億ジンバブエ・ドルがあれば2斤ものパンが買えた。でも今週になると1斤すら買うことができない(new note was not enough to buy a loaf of bread yesterday. Last week it bought two loaves.)」と表現している。現在中央銀行内の紙幣計算機では、ゼロを9つ省略した10億ジンバブエ・ドル単位、あるいは12個省略した1兆ジンバブエ・ドル単位で計算が行われているという。それほどまでに切り下げを行わないと、計算が出来ないというのだ。

先週土曜日になって中央銀行のGideon Gono総裁はイベント先で「より多くのゼロを取り除く(more zeros)」と言及している。今件の言及が中央銀行内の計算における「切捨て処理」のことを指していると解釈することもできるが、直前に2006年8月に行われた3桁を超えるデノミネーション(通貨切り下げ)のことが報じられており、ジンバブエ・ドルそのもののデノミを意味することはほぼ確実だと思われる。

ebayに出品されている1000億ジンバブエ・ドル札イメージ具体的にどの程度のデノミネーションが行われるのかは現在のところ不明。中央銀行内部では9桁・12桁の切捨て処理が行われていることを考えると、同等の処理がジンバブエ・ドルで実施される可能性は否定できない。

加速度的に進むインフレによる混乱を防ぐ手法の一つとしてデノミは行われるが、あくまでも「混乱の収拾」であってインフレそのものを止める効果はほとんど無い。政治・経済上の改善策が果たされなければ、仮にデノミネーションが実施されてもそう遠くないうちに、再びゼロがいくつも並ぶ紙幣を発行せざるを得なくなるだろう。

ちなみに7月30日現在、ジンバブエ・ドルの公式レートは1米ドルが588億8656万2526.04ジンバブエ・ドル。闇レートでは7月22日現在6878億6037万5011ジンバブエ・ドル(OMIRレート)。公式レートでも、1000億ジンバブエ・ドル札で食パン1斤どころか半斤も買えない状態となっている。

※続報(7月30日21時15分)
【日経新聞】が伝えるところによると、100億ジンバブエドルを1ジンバブエドルとする(ゼロを10個取る)デノミネーションを8月1日から開始すると発表した模様。

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