自社株強制売却で株価を急落させた井上工業の社長、取締役会で解任

2008年07月23日 08:00

建設業中堅で東証二部上場の【井上工業(1858)】は7月22日、同日開催された取締役会において、宮崎純行社長を解任し代表権をはく奪、後任に2006年まで社長だった中村剛副社長を選任したと発表した(【発表リリース、PDF】)。

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井上工業といえば先に【井上工業の株価急落、社長保有の自社株強制売却が原因】でお伝えしたように、宮崎前社長個人の信用取引の失敗が元で、手元の自社株が大量に市場に流出し、株価急落を招いたことが記憶に新しい。同社株式は建設業不況のあおりも受け、いまだに低迷が続いている。

リリースでは今回の解任の理由について

宮﨑純行氏は当社の内部者取引防止規程に定める手続きに違反する等、当社の代表取締役社長として不適任であると判断し、本日開催の取締役会の決議をもって、代表取締役社長から解職し、中村剛氏を新たに代表取締役社長として選任したものです。


と説明している。また、一部報道によれば2007年6月に社長へ就任して以来、内規に反して会社に報告せず、同社株式を数回売却していたとのこと。実際、2008年頭発行の四季報では「宮﨑純行氏+プロス・G(親族経営の会社)」で46.9%の同社株式を保有していると記載されているが、最新の四季報データではこの比率が31.8%にまで低下している。

個人の取引失敗で自社株を強制売買させられてしまい、急落を招いた社長も珍しいが、内部規定に反して何度と無く自社株を売却し、それが原因で解任させられた社長も珍しい。少なくとも色々な意味で、証券市場に名を残す社長となることは間違いあるまい。


(最終更新:2013/08/04)

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