情報は多さ・早さより「正確さ」

2008年07月21日 12:00

正確さイメージ総務省が7月12日に発表した2008年度版の情報通信白書には、情報通信業界におけるさまざまなデータが公開されていて、興味深い内容を持つものが多い。その中の一つ、情報に対する考え方についての調査結果において、「情報の入手」の際には「量の多さ」や「速報性」よりも「正確さ」を求める傾向が強いことが明らかになった(【発表ページ】)。

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情報通信白書とは総務省が毎年日本の情報通信の現況や情報通信の政策の動向について、国民の理解を得ることを目的として作成する統計資料。政策決定の材料としても用いられる。

今項目では情報に対する考え方について、世代間の差異を明らかにするため行われた調査の結果。各項目について「当てはまる」と回答した人の割合のグラフのうち、「情報全般に対しての考え方」の部分を抽出したもの。

情報に対する考え方(全般に対するもののみ抽出)
情報に対する考え方(全般に対するもののみ抽出)

いずれかの項目のみを選択するという三者択一ではなく、あくまでもそれぞれの項目の支持率にしか過ぎないが、いずれの階層でも「情報を入手する際には、情報が正確である方が良い」と回答している人が9割以上を占めている。情報のニーズについてはどの世代・階層も「量」や「素早さ」よりも「正確さ」にポイントを置いていると見てよいだろう。

一方、若年層では「量の多さ」にやや重きを置き、「素早さ」への注力度が低いことが分かる。別調査では若年層は「パソコンは色々な情報が多く手に入るから好き」と答えており、パソコンにおける情報収集の慣れが「量の多さ」への注力を高めているものと思われる。

また「素早さ」の点でやや注力度が低いのは、パソコンや携帯電話からの情報配信に慣れて「ちょっとした遅さ」はあまり気にならないこと、まとめサイトやニュースサイトの二次・三次情報の取得を多々経験しており「情報の又聞き」に慣れているのを起因としているからだと推定される。

「正確ならば量は少なくても、スピードが遅くても良い」というわけではない。まさに料理とお客との関係と同じで、「本当に美味しいのならば、量は少なくとも、注文されてからテーブルに並べられる時間がかかっても良い」のが許されるのは、その料理が飛びぬけて美味しい場合に限られる。情報発信側は「嘘偽りを垂れ流してもよい」というわけではないが、正確さを最優先事項とし、他とのバランスを取りながら情報の受け手の要望に答えていかねばならないだろう。

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