株式取引への意欲減退の傾向…野村證券(8604)、2008年6月計測分の個人投資家動向を発表

2008年07月09日 12:00

株式イメージ【野村證券(8604)】の金融経済研究所は7月7日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2008年7月発表分、PDF】)。先月と比べると投資家の投資意欲や今後の市場動向に対する意向が悪化し、ネガティブな見方が増えるなどネガティブさが見て取れる結果となっている。

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今調査は1000件を対象に6月20日から24日に行われたもので、男女比は66.8対33.2。年齢層は40歳代がもっとも多く34.9%、ついで30歳代が23.7%、50歳代が20.7%など。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く27.4%、500万円~1000万円が18.7%と続いている。1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く28.0%を占めている。次いで1年から2年未満が22.2%、5年以上が16.6%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く44.9%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が28.6%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は先月と比べて下落。日経平均が6月初旬に直近で最高値をつけたあと軟調の展開を続けていることもあり、先行き不透明感がまん延しているのが原因。3か月後の見通しは「上昇」意見が減っている。ただし年初来安値を更新するまで、というほどの危機感はない。
・株式取引への意欲減退の傾向。
・「市場への影響が考えられる要因」ではマイナス回答が多く、環境悪化の懸念。
・魅力的な業種は2か月ぶりに「医薬品・ヘルスケア」がトップに。一方で「建設、不動産」は7か月連続してもっとも注目度が低いとの結果。
・信用取引を現在している人は12%。これまでも、今後もするつもりはない人は69%。


という形に。6月は5月とは異なり、直近で高値をつけたあとはジリジリと値を下げる展開が続いている。3月までの状況と比べればややマシではあるものの、投資家の疑心暗鬼感は根強く、慎重さが見て取れる。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、上位5銘柄の多くは変わりがない。資源高で厳しい状況が伝えられる【東京電力(9501)】は五位以内への復帰を果たせず、資源関連から「取り扱い企業」として[三菱商事(8058)]が継続して顔を見せている。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……【ソニー(6758)】
3位……[ソフトバンク(9984)]
4位……[任天堂(7974)]
5位……[三菱商事(8058)]


上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。つまりそれだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。トップの[トヨタ自動車(7203)]はもはや鉄板順位で間違いないはない。前月は第二位の【ソニー(6758)】との差が縮まり「よもや」とも思われたが、今回のリストを見る限り再び王者の威厳を取り戻したようである。

今回のデータにあるように、6月には5月にあった堅調さに霧がかかったような展開を見せた株価動向。日経平均の直近天井1万4500円近辺を抜けることはかなわず、逆にはじかれて反落しつつあるのが現状。原油高や金融市場不信などの不安定要素が増殖し、市場関係者も疑心暗鬼になりながらトレードをしているというところだろう。ちょっとした出来事で上限に大きくぶれやすい市場状況であるだけに、各種情報には耳を傾けながら、それらに惑わされることなく、今後も注意深く市場を見守りたいところだ。

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