物価高、月7619円負担増・日本総研試算

2008年07月08日 06:30

物価高イメージ【日本総合研究所】は7月2日、昨今の急激な物価高に伴う家計や個人消費への影響試算結果を発表した。それによると、2008年度平均における勤労者世帯(二人以上)においては月あたり7619円(収入比1.4%)の負担増になることが明らかになった(【発表リリース】)。

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試算によると原油・穀物価格の高騰とそれに伴う商品価格への転嫁で、2008年度の消費者物価上昇率は前年度比で+1.9%に達する見込み。それに伴い、勤労者世帯(二人以上)では一か月あたり7619円の負担増となる。

世帯タイプ別にみた物価上昇による月平均負担増加(2008年度、前年差)(一部抜粋)
世帯タイプ別にみた物価上昇による月平均負担増加(2008年度、前年差)(一部抜粋)

試算内容を見ると

・生活必需品のシェアが大きい低所得者の方が負担が大きい
・自動車への依存度が高い地方の方が負担が大きい
・単身世帯は自宅にいる時間が少ないため、光熱費などの負担増が低い
・単身世帯は娯楽への費用が大きく、この分野では物価下落傾向があるので負担を押し下げる
・引退世代(世帯主が60歳以上で無職、二人以上の世帯)は負担増額は小さいものの負担割合は大きい。食費の割合が大きく、物価高による影響も受けやすい。


などの傾向が見て取れる。

物価上昇による負担増で
個人消費は0.9%ポイント
押し下げられる試算

【消費者物価指数の7倍の物価高を感じる消費者・かけ離れる物価上昇の実感と統計値】でも触れたように、昨今の物価上昇において消費者はその上昇率を10.2%と感じている。今回の試算はそれと比べれば低く、むしろ総合消費者物価指数の上昇率1.5%に近い感がある。しかしその一方、構成世帯によって負担割合が大きく違うこと、特に低所得者や引退世帯など、社会的弱者層の方が大きな影響を受けることが(試算とはいえ)明らかになったのは、注目に値する。

また今回の試算に基づき、(通常のインフレと異なり賃金上昇が見込めないことから)ぜいたく品を中心に支出が押さえられることを起因とし、2008年度においては個人消費が0.9%ポイント押し下げられるとも試算している。個人消費の減退は社会全体のお金の流れ、特に小売業の営業成績に大きな影響を与える。

いちシンクタンクの試算とはいえ、「月間7619円の負担増」という実情は現実の厳しさを再確認させるだけのインパクトはある。個人、そして企業(特に小売業)においても、さまざまな知恵の出し合いが求められることだろう。


(最終更新:2013/08/04)

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