【更新】買うのが減った人は3割強・雑誌離れ進行中

2008年07月05日 12:00

雑誌イメージC-NEWSは7月4日、紙媒体における雑誌の購入に関する調査結果の一部を発表した。それによると直近1年間で雑誌を買う量が「減った」と答えた人は全体の3割強を占めることが明らかになった。「増えた」の5%をはるかに上回る数であり、雑誌離れの傾向を示す一つのデータといえよう([発表リリース])。

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今調査は6月27日と28日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1で年齢階層比は20代・30代・40代・50代・60歳以上で均等割り当て。ネット経由であることや、紙媒体に対する調査という前提もあわせて考えると、世間の実情からはややネット有利の数字が出ていることを考慮する必要がある。

今調査における「雑誌」の定義は、一定期間ごとに発売される紙媒体の情報誌。キオスクやコンビニの店頭などにずらりと並ぶ彼らのことを指す。

調査母体に対し、この一年間で買った雑誌の量はそれまでと比べて増えたか減ったかを単一回答でたずねたところ、「変わらない」とした人は約6割。「減った」が34%に達した。

この1年間で、あなたが買う雑誌の量は増えましたか? 減りましたか?
この1年間で、あなたが買う雑誌の量は増えましたか? 減りましたか?

それぞれの回答者の購入雑誌数は一概に同じではないため、この結果がそのまま「雑誌の販売・流通数」にリンクするわけではない(「増えている」人が多量の雑誌を買い増しし、「減っている」人は元々ほとんど買ってなかった人かもしれない)。また前提でも触れたように、あくまでも「インターネット経由の調査結果」なため、「ネットをやらずに雑誌を買う」人の意見は反映されていない。

従ってこのデータのみで「雑誌の販売数が激減している」と談じることには多少の問題がある。しかしそれでも、少なくとも「雑誌を購入している人の購入頻度が下がっている傾向がある」「雑誌が買われなくなる傾向がうかがえる」と見てもよいのではないだろうか。

それでは「購入量が減った人」はどのようなジャンルの雑誌を買わなくなったのか。上位にはファッション誌や一般週刊誌がついた。

この1年間で、あなたが買うことの減った・止めた雑誌のジャンルをお答えください(複数回答)
この1年間で、あなたが買うことの減った・止めた雑誌のジャンルをお答えください(複数回答)

いずれの種類もどちらかといえば低迷が続くものばかりだが、特に上位を占める「ファッション誌」や「一般週刊誌」は苦戦が続いているのをよく耳にする。また、4位までの上位に名前を連ねる雑誌たちで、コンビニやキオスクなどの週刊誌・雑誌コーナーのほとんどを占めていることも分かる。五位以降の雑誌の種類と比べると、若年層向けのものが多いのも特徴の一つ。


「購入量の減った雑誌」の上位には
コンビニ雑誌コーナーの主役たち、
若年層向けの種類のものが多数を占める

リリースでも触れているが、携帯電話も含めたインターネット上の情報の展開が加速度的に進む中で、雑誌のはこれまでの立ち位置からの変更を余儀なくされている。少なくとも情報の速さや多元性、訴求力(音声や動画による)の大きさ、リンクなどを用いた関連情報との多角的情報展開、さらには双方向性などの点において、インターネットに太刀打ちできる点はさほど多くないからだ。そして可処分所得が減り、消費そのものが減退する中で「無料で情報が手に入るのだから、わざわざお金を出して買う必要もない」と雑誌を手に取るのをひかえる人が増えるのも納得がいく。

現状のスタイルのままの展開を求める人も少なからずいることは事実。しかし販売数・購入者数が減っているのは、その「現状維持」を望む人が減少していることをも意味する。雑誌側は採算ラインが取れず「名誉ある撤退」の選択を迫られる前に、「現状維持」のスタイルを保ちつつ、新しいニーズにも応えられる「工夫」への模索が求められるのだろう。特に若年層対策は急務といえよう。


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